日本コンクリート工学会

ホーム > 出版物/JCI規準/論文投稿 > 会誌「コンクリート工学」 > 記事を読む・探す > 最新号と過去の目次

会誌「コンクリート工学」

会誌「コンクリート工学」について

会誌『コンクリート工学』(約100ページ)は毎月発行し、会員に配布しています(会誌代金は会費に含む)。年3回は、話題のテーマについて掘り下げた内容を特集号としています。
斯界の権威・専門家による解説、テクニカルレポート、工事記録、講座、レビュー論文など最新の研究・技術情報をわかりやすく掲載しています。

最新号の目次

コンクリート工学 Vol.63, No.11
2025年11月号

巻頭言
夢みる働きたい改革
横関康祐
TOPICS
津山文化センター
野口美保・小畑寛行
解説
日本建築学会「壁式鉄筋コンクリート厚肉床壁構造設計指針(案)・同解説」の概要
田沼毅彦・今川憲英・稲井栄一・楠浩一・松井智哉・井上芳生
概要:
2023年2月に日本建築学会より「壁式鉄筋コンクリート厚肉床壁構造設計指針(案)・同解説」が刊行された。壁式鉄筋コンクリート厚肉床壁構造は、けた行方向が厚さ250mm以上の厚肉耐力壁と、せいが250mm以上、幅が厚肉耐力壁厚の3倍以下の扁平壁梁、張り間方向が日本建築学会「壁式鉄筋コンクリート造設計・計算規準・同解説」の規定を満たす耐力壁と壁梁、ならびにスラブと基礎構造より構成される一体の壁式鉄筋コンクリート造である。本構造による建物は、高い耐震性と開放的な空間構成が可能である。本報告では、壁式鉄筋コンクリート厚肉床壁構造設計指針(案)・同解説の概要を解説する。
キーワード:
壁式鉄筋コンクリート厚肉床壁構造、厚肉耐力壁、扁平梁、構造計画、構造設計
テクニカルレポート
極低強度コンクリートの既存RC造建物から切り出したコンクリートの物性と部材の構造性能
貞末和史・坂本英輔・荒木秀夫
概要:
耐震性に劣る低強度コンクリートの既存建物は本来ならば解体することが望ましいが、経済的な理由や文化的な価値によって、補強し継続使用することが望まれることがある。そのため、低強度コンクリートとなる原因やその力学的物性を調べておくことは重要である。本研究では極低強度コンクリートを主要因とする耐震性の低さにより解体される建物からコンクリート供試体に加え柱、梁などの実際の部材を譲り受け、実構造物の材料と部材の性能について調査した。
キーワード:
極低強度コンクリート、耐震診断、実部材、調合推定、中性化、付着強度、終局耐力
品質と生産性の向上に向けた新たなPCa床版接合工法の開発
野澤忠明・針貝貴浩・勝見哲史・須山淳也
概要:
本報では、プレキャスト床版接合部の品質と生産性の向上を目的に、ナット状の定着金物を設けた機械式定着工法と間詰め材として高強度繊維モルタルを組み合わせた新たなプレキャスト床版接合工法の開発を行った。本報では、接合部を模擬した試験体を用いた定着部の引抜試験および接合部を配置した梁の曲げ疲労試験を実施し、配筋ピッチ、継手ラップ長、せん断補強鉄筋の有無が曲げ耐力に及ぼす影響を整理した。さらに、NEXCO 442試験に準拠した輪荷重走行試験を実施し、接合部の疲労耐久性の評価を行った結果、期間100年を上回る疲労耐久性を有することが確認された。
キーワード:
床版継手、機械式定着工法、高強度繊維補強セメント系複合材料、PVA、輪荷重走行試験、疲労耐久性
JCI近畿支部設立30周年記念事業 田辺朔郎の書斎『百石斎』の詳細調査結果~鉄網コンクリートを診る~
岸本一蔵
概要:
JCI近畿支部では、支部設立30周年記念事業として琵琶湖疏水建設で有名な田辺朔郎の書斎「百石斎(ひゃくせきさい)」の調査を実施した。百石斎は、鉄網(てつもう)コンクリート壁を用いた木造建物で歴史的にも貴重な建物であることが分かった。本稿では、前稿~その歴史的位置づけ~に引き続き、建物の調査結果、具体的には鉄網コンクリート壁から採取した試料を用いてコンクリートや力骨および鉄網の成分分析等を行うとともに、赤外線サーモグラフィーや3D測量技術などを活用して外観調査や構造体調査を行ったので、その内容について報告する。
キーワード:
百石斎、鉄網(てつもう)コンクリート、力骨、鉄網、赤外線サーモグラフィー、3D測量、ドローン
工事・プロジェクト記録
急縦断勾配を有するPRC方杖ラーメン箱桁橋の施工—新東名高速道路 大御神西跨道橋—
大河秀行・橋本学・濱田啓司・森山公雄
概要:
大御神西跨道橋は、縦断勾配5.5~10.0%のPRC方杖ラーメン箱桁橋である。橋長116mの内、最大縦断勾配10%の区間が約66mと長く、また、下床版は桁高変化の影響も含めると縦断勾配は最大14.5%となるため、コンクリート打込み時にコンクリートの流動による材料分離が懸念された。対策として「エアー型枠」と「流動抑制鉄筋」を候補とし、実施工前に実物大モデルによる施工実験で各対策の効果を検証した。本稿は、急縦断勾配対策の検証に関する実験結果および実施工での結果と、床版の施工管理に活用したBIM/CIMについて報告するものである。
キーワード:
PRC方杖ラーメン箱桁橋、急縦断勾配、高密度配筋、実物大実験、流動抑制鉄筋、BIM/CIM、床版施工管理
超低収縮高強度繊維補強コンクリートを用いた床版接合工法の適用 —名神長良川橋床版取替工事—
佐藤徹也・中川健司・䑓哲義・中村誠孝
概要:
名神高速道路長良川橋床版取替工事において、超低収縮高強度繊維補強コンクリートを用い、床版厚を建設時と同じ190mmとしたプレキャストPC床版の継手構造を開発して適用した。適用にあたっては暑中期および寒中期の気象条件に対応するため、骨材や粉体の温度管理、練混ぜ水の冷却や加温、適切な打込みや仕上げおよび養生方法など、多岐にわたる施工対策を行った。その結果、厳しい条件下でも全ての管理基準を満たす品質を確保することができた。本稿においては新たな継手工法の開発、過酷な環境下における対策の検討および施工結果について報告する。
キーワード:
超低収縮高強度繊維補強コンクリート、床版接合、暑中コンクリート、寒中コンクリート
講座
コンクリート施工の基本 (2)コンクリートポンプによる圧送
中田善久・宮田敦典
レビュー論文(文献調査委員会)
FIB-SEMを用いたセメント硬化体の空隙および微細ひび割れの三次元観察に関する研究事例
鎌田知久
随筆
コンクリートと私
上大岡トメ
海外だより
サンフランシスコ湾に浮かぶ島での道路改良工事
長門石あさぎ
国際情報
18th World Conference on Earthquake Engineering(WCEE 2024)参加報告
趙能・鈴木裕介
さろん
寮生活の思い出
寺西浩司
コンクリート技士のページ
コンクリートとの出会いと歩み
小野秀康
コンクリート構造物に携る営業マンとして
宮崎豊
コンクリート診断士のページ
調査関係業務を振り返って
落合光雄
維持管理の時代におけるコンクリート診断士
中村大剛
我が職場
社員のやる気を後押しする(株)水野建設コンサルタント
桑田利一
福岡大学土木材料研究室
橋本涼太

過去1年の目次

創刊からの総目次

Vol.1(1963年)からの総目次を公開しています。過去の記事で、J-STAGEに非掲載となっているものの書誌情報等は、こちらのページからご確認ください。

Copyright © Japan Concrete Institute All Rights Reserved.

トップに戻る