日本コンクリート工学会

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会誌「コンクリート工学」

会誌「コンクリート工学」について

会誌『コンクリート工学』(約100ページ)は毎月発行し、会員に配布しています(会誌代金は会費に含む)。年3回は、話題のテーマについて掘り下げた内容を特集号としています。
斯界の権威・専門家による解説、テクニカルレポート、工事記録、講座、レビュー論文など最新の研究・技術情報をわかりやすく掲載しています。

最新号の目次

コンクリート工学 Vol.61, No.3
2023年3月号

巻頭言
失敗があったからこそ
名倉健二
TOPICS
一般国道277号 高滝ノ沢橋
斉藤航平・紙永祐紀
解説
日本非破壊検査協会 NDIS3418「コンクリート構造物の目視試験方法」の改正
小林幸一・小林信一・湯浅昇
概要:
日本非破壊検査協会では、関連する団体と連携をとり、日本非破壊検査協会規格(NDIS)を制定及び改正し、検査技術の標準化を図るとともにその普及を推進している。本稿は、2022年9月に改正したNDIS 3418:2022「コンクリート構造物の目視試験方法」を概説したものである。今回の改正は、コンクリート構造物の目視試験の標準形となるべく、関係各所に引用(参照)してもらう規格を目指した。具体的には、NDIS 3414(目視試験方法)との整合を考慮し、NDIS 3418の規格構成を見直すこととし、コンクリート構造物の目視試試験として特徴のある共通事項だけとした。
キーワード:
目視試験、標準化、コンクリート構造物、点検、調査
テクニカルレポート
高強度コンクリートにおける施工性の課題および単位水量の実態に関するアンケート調査結果
梶田秀幸・笠井浩・小島正朗
概要:
高強度コンクリートは、高層鉄筋コンクリート造建築物を中心に普及しているが、水結合材比が小さく粉体量が多いためコンクリートの粘性が高くなることから、圧送性や打込み・締固め性、左官仕上げ性などに関する施工性の課題が、以前より指摘されている。そこで、施工者を対象として、フレッシュコンクリートの性状に関連する施工性の課題および高強度コンクリートの単位水量の実態についてアンケート調査を行った。その結果、現在でも左官仕上げ性および圧送性の課題があることが明らかとなり、施工者は単位水量を185kg/m3までであれば大きくしてフレッシュコンクリートの性状を改善した方がよいと考えていることがわかった。
キーワード:
高強度コンクリート、アンケート調査、フレッシュコンクリートの性状、施工性の課題、調合、単位水量
建築分野における梁端部RC造・梁中央部S造で構成された複合梁の部材剛性の評価モデルとその構造設計での活用例
佐藤良介
概要:
本稿は、「S区間との境界となるRC区間の小口面に鋼製プレートを有する埋込み形式の複合梁」の部材剛性の評価方法について論じるものである。国内建築分野における現行の構造設計体制への適用を前提に、この種の複合梁の実験値を弾性域から非弾性域まで捕捉するために構築された評価モデルについて、これが与える解の妥当性を検証したうえでその性質を精査して明らかにすることを第一の目的としている。また第二の目的として、設計実務にて埋込み形式の複合梁全般に想定され得る課題を例示し、本評価モデルならびにその性質を活用した対応可能性についても触れ、この種の構造の構造設計の一層の洗練に寄与する知見の呈示を試みている。
キーワード:
合成部材、埋込み形式の複合梁、部材剛性、骨格曲線、トリリニアモデル、構造設計
円柱状シアキーを用いた耐震補強工法と適用事例—チッピングに代わる目荒らし—
阿部隆英・樋渡健・高瀬裕也・香取慶一
概要:
チッピングによる目荒らしは、鉄骨ブレースや増し打ち壁を用いた耐震補強の接合面等、コンクリートの接合面に多く用いられている。著者らは、チッピングに代わる目荒らしとして、施工環境に配慮し、一律の形状で形成できる円柱状シアキーを開発した。円柱状シアキーは、湿式コアドリルを用いることで、施工時の騒音、振動、粉塵を抑制でき、更にせん断耐力の評価が可能で、施工後の管理が容易となる特徴を有する。本稿では、円柱状シアキーの施工現場における環境測定から、施工方法、耐力評価及び増し打ち壁補強工法への適用について報告する。
キーワード:
円柱状シアキー、耐震補強、目荒らし、低騒音・低振動・低粉塵、チッピング、支圧抵抗、接合部
工事・プロジェクト記録
熊本天草幹線道路『本渡道路』天草未来大橋G6工区上部工工事
崎村盛・右田正人・米ケ田崚哉・福島邦治
概要:
熊本天草幹線道路は、天草市の旧本渡市と熊本市近見町を結ぶ全長約70kmの幹線道路である。平成6年12月に地域高規格道路として計画路線の指定を受け、県内の高速交通ネットワークの横軸として、また、天草地域と熊本都市圏を90分で結ぶ90分構想の達成に向け、国および熊本県で、整備に取り組んでいる。熊本県では、この熊本天草幹線道路の一部である本渡道路(天草市港町から天草市志柿町、約1.3km)の整備を平成25年度から開始した。現在、天草上島と下島を繋ぐ道路が国道324号天草瀬戸大橋の1橋のみであることから、朝夕の時間帯を中心に橋の前後で慢性的な渋滞が発生している。バイパス機能を有する本渡道路の整備は、現在の国道324号の交通量を減少させ現道の円滑な交通を確保し、災害時等における代替路としての機能も発揮することで、本渡都市圏における産業・経済活動、防災機能の向上に寄与する。本稿では、本渡道路の終点となる天草未来大橋G6工区で取り組んだ施工上の課題とそれに対する工夫について報告する。
キーワード:
PC連続中空床版橋、広幅員、分割施工、狭小ヤード
国立アイヌ民族博物館の構造計画と施工計画
山崎慎介・神谷佳祐・谷口昭彦・雁部剛志
概要:
民族共生象徴空間の主要施設として整備された国立アイヌ民族博物館は、周囲の自然と一体となった建物形状とし、高床式様の特徴的な形となっている。片持ち架構、複雑な屋根形状、高い階高、大空間の諸室、開放的なロビー空間といった条件に対して、特徴的な建物形状を構造要素として利用しながら解決を図った。特に、ポロト湖を眺望できる2階のパノラミックロビーは、長大な片持ち架構、居住性への配慮、吹き抜けとの関係など構造的な課題が多かった部位であった。構造計画概要に加え、パノラミックロビーの構造計画と、その施工計画について紹介する。
キーワード:
片持ち架構、トラス架構、PCスラブ、PC壁、居住性
講座
プレキャストコンクリートの規格・諸制度および活用 (2)土木分野に活用されているプレキャストコンクリートの規格
梶山敏也
資料
Journal of Advanced Concrete Technologyの現状と課題
半井健一郎・長井宏平・大野定俊・丸山一平
レビュー論文(文献調査委員会)
遅延エトリンガイト生成(DEF)の診断—DEFの微視的特徴と観察において留意すべき点—
吉田夏樹・安藤陽子・佐藤賢之介・扇嘉史・川端雄一郎
随筆
遠くへ来たものだ
池田隆明
海外だより
カトマンズ市内におけるコンクリート工事の事例
藤本正雄
さろん
Chain Reaction
渡辺忠朋
コンクリート技士のページ
コンクリート技術者としての10年を振り返って
尾濱太一
コンクリート技士合格
今井美帆
コンクリート診断士のページ
コンクリート診断士を取得して
栗原勇樹
机上の知識よりも現場の経験
石本裕行
我が職場
企業が持続可能であるために 上北建設(株)
音道薫
人と技術を活かして—オリエンタル白石(株) 東北支店—
安部達也

過去1年の目次

創刊からの総目次

Vol.1(1963年)からの総目次を公開しています。過去の記事で、J-STAGEに非掲載となっているものの書誌情報等は、こちらのページからご確認ください。

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