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日本コンクリート工学会では、2008年11月に「マスコンクリートのひび割れ制御指針2008」を刊行しました。その後、2011年7月に「Guidelines for Control of Cracking of Mass Concrete 2008」(和英版)を刊行するとともに、英文版の制御指針を用いて、ベトナム(2011年9月)、アメリカ (2011年10月)、フランス(2012年3月)で各種セミナーを開催し、海外への指針の普及活動を行いました。
その後、新しい情報や技術を取り入れるべく2012年4月から、マスコンクリートのひび割れ制御指針改訂調査委員会を立ち上げ、コンクリートの若材齢物性の設計用値の適用範囲の拡張と精度向上、温度ひび割れ指数の簡易評価式の精度向上、エトリンガイトの遅延生成(Delayed Ettringite Formation; DEF)の現状把握と指針での規定の可能性、等を目的として調査研究活動を行い、その成果の報告会を2014年6月に行いました。その調査研究の成果を受けて2014年4月より、マスコンクリートのひび割れ制御指針改訂委員会(委員長:佐藤良一・広島大学名誉教授)を立ち上げ、上述のひび割れ制御指針2008の改訂を行い、このたび、「マスコンクリートのひび割れ制御指針2016」を刊行する運びとなりました。
ひび割れ制御指針2016の改訂のポイントは、以下の通りです。
(1)コンクリートの若材齢物性の設計用値の適用範囲の拡張と精度向上(断熱温度上昇式の適用範囲拡張、圧縮強度評価式の係数の見直し、中庸熱ポルトランドセメントの自己収縮ひずみ評価式の係数の見直し、中庸熱、低熱、早強ポルトランドセメントに膨張材を用いた場合の膨張ひずみ評価式の係数の見直し)
(2)温度ひび割れ指数簡易評価式の見直し
(3)温度ひび割れ幅評価式の見直し
(4)最高温度簡易評価式の提案
(5)DEFによるひび割れの防止に関する条項の規定
(6)見直しした評価式や新しく規定したDEFに関わる根拠を示す参考資料の掲載、
(7)海外での制御指針の使用を考慮した物性の評価、施工・管理などの技術資料の充実
JCI指針記号:JCI-R-001-2016 A4版・375ページ(2016年刊行)
マスコンクリートのひび割れ制御指針改訂原案作成委員会