ホーム > コンクリートについて > 月刊コンクリート技術 > 2019年12月号
コンクリートに関わる技術者は,日常的に多くの試験を行なっています。JIS(日本産業規格)に代表される各種の試験には,コンクリート用の材料,フレッシュコンクリート,硬化コンクリートに対する試験などがあり,各対象の中でも広範囲な試験が行われています。時代の変化に伴い,コンクリート用材料も変化し,その物性も広範囲に変化しています。また,コンクリートにおいても,要求される性能が多様化し,フレッシュコンクリートや硬化コンクリートの特性を評価する試験方法も変化しています。さらに,労働人口の減少や技術者の高齢化など,試験者の状況も変化しています。このような状況から,現代のコンクリートに関する試験方法について,合理的な方法に見直す,または,新しく評価できる方法を作る必要があると考えられます。
このような背景のもと,日本コンクリート工学会では,「コンクリートの各種性能評価試験方法の合理化・省力化に関する研究委員会(委員長:上野敦・首都大学東京)」を2017年度に発足させ,2年間の活動を行ってきました。本稿では,標記委員会の活動成果の概要をご紹介するとともに,本年9月に開催する委員会シンポジウムについてご案内いたします。
※会員専用ページには「増刊コンクリート技術2019年8月号」として,本記事より詳細な内容(一部結果含む)が掲載されています。そちらもご覧ください。
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本委員会では,「材料WG」,「フレッシュコンクリートWG」,「硬化コンクリートWG」の3つのWGを設置し,活動を行いました。
それぞれのWGでは,WG名が示すとおり,コンクリートを構成する材料,フレッシュコンクリート,硬化コンクリートの試験方法を対象に,合理化・省力化の観点(試験体の軽量化等も含め)から,試験法の課題を整理し,可能な限り改善方法を提示しました。
これらの詳細については,委員会シンポジウム当日に頒布する報告書にとりまとめておりますが,その中から,ここでは加振変形性試験と,簡易施工性評価試験を検討した例を,図-1,図-2としてご紹介いたします。これらは新しいタイプのコンクリートの特性の試験方法として,近年注目されているものであり,委員会ではフレッシュコンクリートWGにおいて検討を行いました。
図-1 加振変形性試験 |
図-2 簡易施工性評価試験 |
このたび,以下の日時にて委員会シンポジウムを開催いたします。委員会活動の成果をご報告するとともに,論文発表セッションでは既存の試験方法の課題点と改善の提案,評価すべき材料またはコンクリートの特性を評価するための新しい試験方法の検討などについて発表して頂き,議論を深めたいと考えております。関係各位お誘いの上,ふるってご参加くださいますよう,よろしくお願いいたします。
10:00~10:10 | 開会挨拶と委員会活動の概要 |
10:10~10:40 | 委員会報告1(材料WG) |
10:40~11:10 | 委員会報告2(フレッシュコンクリートWG) |
11:10~11:40 | 委員会報告3(硬化コンクリートWG) |
11:40~12:40 | <昼食> |
12:40~16:50 | シンポジウム セッション1:材料分野と強度特性 セッション2:フレッシュコンクリート分野 セッション3:硬化コンクリート分野 |
16:50~17:00 | 閉会挨拶 |