日本コンクリート工学会

ホーム > 出版物/JCI規準/論文投稿 > 会誌「コンクリート工学」 > 記事を読む・探す > 2024年3月号目次

会誌「コンクリート工学」

コンクリート工学 Vol.62, No.3
2024年3月号目次

目次

巻頭言
Z世代との交流
草野昌夫
TOPICS
本四備讃線の耐震補強
宇野匡和
解説
2023年制定土木学会コンクリート標準示方書改訂の概要(その2)—施工編について—
二羽淳一郎・丸屋剛・石田哲也・綾野克紀・名倉健二・細田暁
概要:
コンクリート構造物の構築において、施工は設計で想定した構造物を実現するための行為である。設計図書には構造物の施工に関する制約条件に加えて、施工において配慮が必要な事項が明示され、施工者に設計者の意図が伝えられる。示方書[施工編]では、施工者が設計図書を正確に理解し、要求性能を満足する構造物の構築を実現するために、施工を行う上で必要となる基本的な考え方と、具体に施工を計画し、実施する上で参考となる標準的な材料や施工方法等を記載している。施工の情報は、将来における構造物の維持管理上の重要な資料になるので、施工の記録により示方書[維持管理編]に基づく維持管理に引き継ぐことも重視した内容としている。
キーワード:
検査、品質管理、プレキャストコンクリート製品、養生、型式検査、特性値、合格判定基準値
テクニカルレポート
部分プレキャスト部材を用いたボックスカルバート構築工法の開発
笠倉亮太・折田紘一郎・福田俊・岸秀樹
概要:
ボックスカルバートの構築工事では、現場作業の省力化、工期短縮を目的にプレキャスト製品を用いた躯体構築が行われているが、運搬や架設等の制約から中小規模のボックスカルバートの構築工事に限定されることが多い。そこで、筆者らは、ボックスカルバートの側壁および頂版を部分的にプレキャスト部材に置き換えるボックスカルバートの構築工法を開発した。本工法は、部分プレキャスト化により、鉄筋工、型枠工および支保工を大幅に削減することで、躯体構築工の生産性向上を図るものである。本稿では、開発した部分プレキャスト工法の概要、開発時に実施した正負交番載荷試験の結果について記載するとともに、現場適用事例について紹介する。
キーワード:
ボックスカルバート、プレキャスト、機械式継手、塑性ヒンジ、あき重ね継手
工事・プロジェクト記録
既設長大鉄道橋りょうの免制震構造化による耐震補強〈北浦港橋りょう〉
宇野匡和・中田裕喜
概要:
橋長450mの5径間連続PC箱桁を有する北浦港橋りょうにおける耐震補強は、耐震診断の結果、従来の補強工法では施工性および経済性の観点から複数の課題があった。既設鉄道橋りょうの耐震補強のために免制震構造化した例は過去に無いが、復旧性、施工性および経済性の観点から総合的に判断し、本橋りょうでは現橋の鋼製支承を免震ゴム支承およびすべり支承に置き換え、併せて制震ダンパーの設置により地震エネルギー吸収および連続桁端部での応答変位の抑制を図る方法を採用した。本稿では、免制震構造化に関する耐震補強設計、および大規模なジャッキ設備を用いた既設鋼製支承の免震ゴム支承およびすべり支承への支承交換工事について報告する。
キーワード:
耐震補強、既設長大鉄道PC橋りょう、免震ゴム支承、すべり支承、制震ダンパー
長大コンクリートアーチ橋におけるコンクリート工事の合理化
原田拓也・戸張正利・万仲直也・南浩郎
概要:
新東名高速道路河内川橋(仮称)は、神奈川県の最西部の足柄上郡山北町の急峻な山岳部に位置し、県道および河内川を跨ぐ、鋼・コンクリート複合バランスドアーチ橋である。本橋の大規模なコンクリート工事の合理化として、主橋脚の大口径深礎では、鉄筋をフランジ外面に突起が付いたH形鋼に変更するなどした上で、超遅延コンクリートを使用した連続打込みにより打継ぎ処理を少なくするなどの取り組みを行った。また、主橋脚の橋脚躯体では、埋設型枠工法を採用し、埋設型枠と帯鉄筋をプレファブユニット化する取り組みを行った。さらに、主橋脚とアーチの結合部では、鉄筋どうしの干渉を回避するなどの目的で鋼殻構造を採用するとともに、鋼殻内部のコンクリートには高流動コンクリートを採用し、長距離圧送試験、実規模充填実験を実施した上で実施工に臨んだ。アーチリブでは、最大勾配36°でのコンクリートの打込みに対して、伏せ枠の使用、ウェブへのバイブレータへの挿入用ガイドの使用など、勾配に対する対策を実施した。
キーワード:
バランスドアーチ、大口径深礎、超遅延コンクリート、埋設型枠、鋼殻、長距離圧送、伏せ枠
千鳥型プレキャスト壁外殻架構の設計・施工計画~富士ソフト汐留ビル~
田井暢・三橋幸作・薛学禎・金子桂大・平尾雅之・水島靖典
概要:
東京汐留地区に位置するオフィスビルにおいて、街のデザインコード、軟弱地盤、データセンターの振動対策、オフィスのフレキシビリティといった複数の課題を同時に解決すべく、新たな構法である「千鳥型プレキャスト壁外殻架構」を開発し、適用した。本稿では、新たな架構システムを開発するにあたって実施した構造実験・構造解析、および、一般的な建築とは異なる架構の建方を実現させた施工計画について報告する。
キーワード:
プレキャスト壁、PC壁、機械式継手、外殻、免震
経験知を活用したPC2径間連続下路桁橋の品質確保—JR九州郡川橋りょう工事—
高口雄基・石田貴顕・柳井修司・吉良秀平
概要:
郡川橋りょう工事は、河川改修事業に伴う既設橋りょうの架替工事であり、明治期に築造された5径間の鋼製桁橋をPC2径間連続下路桁に架け替える工事である。下路桁は、主ケーブルシース周りや横締めPC定着部の箱抜き周りへのコンクリートの充填不良や締固め不足などの不具合の発生リスクが高い。本工事では、施工会社に蓄積された様々な経験知を活用してコンクリート工事の施工計画を立案した。そして、計画の妥当性を確認するために試験施工を行って新たな経験知の蓄積・反映と更なる改善を重ねながら施工を進め、本橋の品質確保に努めた。
キーワード:
PC下路桁橋、コンクリート、打込み・締固め、品質確保、社内連携、経験知
中性固化材による地盤改良および低熱ポルトランドセメントを用いた高流動コンクリートの施工
鈴木孝幸・池添慎二郎・富樫ゆり香・秋山博
概要:
本工事は、活断層を跨ぐ橋梁の下部工16基を構築する工事である。池内に位置する橋脚では、仮締切り内で掘削底面の安定目的の薬液注入工法による底盤改良に先立ち、薬液注入の薬材および固化材の池内への逸走・流出を防止するため、仮締切り外部の乱された地山に中性固化材を用いた静的圧入締固め工法による地盤改良を国内で初めて実施工に採用した。また、部材寸法が大きいため、マスコンクリート対策としてフーチングにはパイプクーリング、充実部である橋脚柱基部および梁部には低熱ポルトランドセメントを用いて温度ひび割れ対策を講じた。過密配筋となったP8橋脚の梁部では、低熱ポルトランドセメントを用いた増粘剤系の自己充填性ランク1の高流動コンクリートを用いて施工を実施した。
キーワード:
中性固化材、低熱ポルトランドセメント、高流動コンクリート、増粘剤系、マスコンクリート、DEF
講座
スラブコンクリートの施工 (2)打込み後の養生がコンクリート品質に及ぼす影響
伊代田岳史
委員会報告
ISO 5091-1~4:“Structural intervention of existing concrete structures using cementitious materials Part1~4”の発行
ISO/TC71対応国内委員会
寄稿
コンクリートの利用における持続可能性の本質
堺孝司・松家武樹
随筆
コンクリート工学とのかかわり 余部橋列車転落事故と新余部橋
松本勝
海外だより
モンゴルにおける寒中コンクリート工事の現状と課題
Bayarjavkhlan Narantogtokh
さろん
最近はスマートシティの連携構築に関わっています
柳橋邦生
コンクリート技士のページ
コンクリート技士取得を振り返って
畑智貴
コンクリート診断業務に携わって
松田敏明
コンクリート診断士のページ
遠回りしても、自分のために
林順平
橋梁点検とコンクリート診断士
河村和生
我が職場
地域とともに東北の復興を担うゼネコン ~西松建設(株)北日本支社~
三井功如
未来へ素敵な橋を造ろう!残そう! 東日本コンクリート(株)です!
安齋良昭・吉川武志

Copyright © Japan Concrete Institute All Rights Reserved.

トップに戻る