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コンクリート中の鉄筋腐食の統一的な取扱いに関する研究委員会報告書(CD)

CD-R・321ページ(2024年刊行)
定価7,700円(税込)/会員価格6,930円(税込)

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高度経済成長期に建設された多くの土木構造物や建築物の老朽化が進む今、限られた予算の中で効率的に維持管理を行い、長期にわたって使用するためには、劣化機構を推定し、劣化予測を行うことが、以前にも増して重要になってきています。
鉄筋腐食に関しては、これまで塩化物イオンや中性化について多く議論されており、塩化物イオン量が多いほど、中性化深さが大きいほど、腐食の進行が速い、と考えられてきました。しかし、近年の研究により、塩化物イオンの浸入や中性化によるpHの低下は「腐食の起点」にはなるものの、その後の腐食の進行は水と酸素の作用の仕方で決まる可能性が高いことが分かってきています。また、様々な構造物における腐食生成物の調査の結果、腐食環境は水と酸素の作用の仕方により4種類に分類することができ、乾湿繰返し環境により腐食が進行するケースがほとんどであることも分かってきています。しかし、水の作用形態として、液状水以外にも水蒸気(湿度)などが影響する可能性についてはこれまでほとんど議論がなされていないのが現状でした。
そこで、鉄筋腐食の影響因子やコンクリートに作用する水の形態、水が鉄筋腐食に与える影響を整理し、鉄筋腐食を統一的に取り扱うためのシナリオを作成することを目的として、2022年に「コンクリート中の鉄筋腐食の統一的な取扱いに関する研究委員会」(委員長:高谷哲・京都大学)を設置し、文献調査や基礎実験、実構造物調査などの成果を報告書に取りまとめました。鉄筋腐食のメカニズムを理解するための「理論」と実構造物に生じている「現象」とを繋げることで、研究のみならずコンクリート構造物の調査、施工、維持管理などの実務にも役立てていただけるような内容に仕上げられたと考えています。

【目次】(一部省略)

第1編 委員会設立趣旨
1. 本研究委員会設立の背景と目的
1.1 本研究委員会設立の背景と経緯
1.2 本研究委員会の目的
1.3 本研究委員会の体制
1.4 本報告書の構成
第2編 文献調査WG(WG1)の活動報告
1. 腐食が起きる条件
1.1 はじめに
1.2 鉄の酸化反応と対をなす還元反応の存在
1.3 腐食電池の形成
1.4 不動態皮膜の破壊
1.5 塩化物イオンなどの腐食性物質の腐食反応での役割
2. 腐食の形態
2.1 はじめに
2.2 全面腐食と孔食
2.3 酸素濃淡電池腐食とすきま腐食
2.4 異種金属接触腐食と応力腐食割れ・水素脆化割れ
3. コンクリート環境下での鉄筋腐食の特徴
3.1 酸素還元反応の特徴
3.2 第二鉄イオンの還元反応の特徴
3.3 アノード反応の特徴
3.4 磨き鋼と黒皮付き鋼のアノード反応の特徴
4. コンクリート中の水の挙動について
4.1 乾燥状態から湿潤状態へ
4.2 湿潤状態から乾燥状態へ
4.3 潮解性塩の存在について
4.4 塩化物イオンなどのイオンの物質移動について
4.5 湿度センサによる水の挙動の測定とその注意点
5. コンクリート中で鉄筋腐食が進行する条件
5.1 はじめに
5.2 水がかりのあるコンクリートの鉄筋腐食の進行
5.3 乾燥環境にあるコンクリートの鉄筋腐食の進行
5.4 コンクリート中の鉄筋の腐食環境の分類
5.5 水がかりのあるコンクリート中への酸素侵入
6. コンクリート外部の環境と内部の温湿度および鉄筋腐食
6.1 コンクリート外部環境とコンクリート内部の鉄筋近傍環境の関連性
6.2 JCI-SC3 腐食促進試験法の概要および制定の経緯について
6.3 乾湿繰返し環境に置かれたモルタル内部の乾湿挙動に関する実験的検討
6.4 温湿度一定環境で乾燥を受けたモルタル内部の水分散逸に関する実験的検討
6.5 コンクリート外部および内部の環境と鉄筋腐食
第3編 構造物調査WG(WG2)の活動報告
1. はじめに
2. 現地調査の概要
2.1 調査対象構造物
2.2 調査内容
2.3 現地調査で得られた結果の概要
3. 実大規模試験体
4. 高速道路橋A
5. 鉄道高架橋
6. 高速道路橋B
7. 高速道路橋C
8. 集合住宅実験建物
9. 現地調査結果の考察
9.1 はじめに
9.2 調査位置および調査手法の選定
9.3 調査手法に関する考察
9.4 鉄筋腐食に関する考察
10. まとめ
第4編 コンクリート中の鉄筋腐食の統一的な取扱いに関するシナリオデザイン(腐食の取扱い体系化WG(WG3)の活動報告)
1. はじめに
2. 鉄筋腐食の統一的な取扱いに関するシナリオデザイン
付録 通水試験動画
1. 丸鋼
2. 異形棒鋼

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