日本コンクリート工学会

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2016年の新春を迎えて

三橋博三

 新年明けましておめでとうございます。

 本学会会員の皆様ならびに本誌読者の皆様には、お健やかに2016年の新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。

 さて、私ども公益社団法人日本コンクリート工学会にとりまして、昨年は創立50周年を迎えた記念すべき年でした。創立記念日の7月12日には、本学会と学術協定を締結している海外の団体代表等や本学会名誉会員を始め沢山の方々のご臨席のもとに、記念式典と祝賀会を盛大に催すことができました。またその席上では、創立50周年を記念して新たに設けた終身会員となられた方々を表彰致しました。翌7月13日には、2つの国際シンポジウムと第2回JCI-ACIジョイントセミナーを開催するとともに、それに先立つ6月初旬には長崎市においてコンクリート構造物の再生と保全に関する国際会議を開催致しました。本学会としては、テーマの全く異なる3つの国際シンポジウム・セミナーを同時並行で進める初めての試みでしたが、いずれにおいても興味深い発表と活発な議論がなされ、創立以来50年の長い年月に亘る諸先輩方の様々な活動を経て培われた本学会のポテンシャルの高さを感じさせられました。

 また、本学会の活動の特徴の一つとして、学術面のみならず技術面でも社会に貢献する枠組み作りに取り組んできたことがあげられます。とりわけ、本学会の重要な活動の一つであるコンクリート技士・主任技士ならびにコンクリート診断士の資格試験と研修は、コンクリートの生産およびコンクリート構造物の施工や維持管理に携わる技術者の皆様が、高い信頼性を得て社会的に活躍できるように応援するものです。コンクリートは、改めて申し上げるまでもなく、我が国の社会基盤構造物や建築物を造るのにはなくてはならない基幹材料です。その根幹をなす技術の向上・発展のために、本学会が果たしてきた役割は、益々その重みを増してきております。近年になって立て続けに発生している稀有の巨大自然災害から国民の安全・安心を守ること、また建設以来の長い年月を経て劣化損傷が無視できなくなりつつある社会基盤構造物の維持管理の重要性に鑑みて、我が国では国土強靭化計画が進められております。そこで本学会は、創立50周年記念事業の一環として昨年2月に「国土強靭化に貢献するコンクリート工学分野での取組みと今後の課題」と題する講演会を、公益社団法人プレストレストコンクリート工学会ならびに公益社団法人日本鉄筋継手協会との合同で開催致しました。今年は、「コンクリート構造物の維持管理・マネジメント技術の現状と今後の課題」と題した講演会を3月22日に開催する予定ですので、是非ご参加ください。

 我が国のコンクリート技術者の持つ専門知識や技術力は、今や世界トップレベルにあるといっても過言ではないと考えております。私どもは、コンクリート技術者がその高いレベルの技術力を保持しながら次世代へ継承し、更なる向上を目指していけるように様々な活動に取り組もうとしております。中でも、本学会の創立50周年を機に新たにフェロー会員を設け、30年以上に亘って本学会会員として活躍してこられた方々に、これまでの経験あるいは培ってこられた技術を生かして、様々な形で引き続き力を発揮していただける機会を設ける企画を検討中です。追って会誌やホームページでご案内致しますが、このフェロー会員への登録は自己申請によるものですので、是非積極的にご申請ください。今後とも本学会の発展のために一層のご支援・ご協力をお願い申し上げ、新春のご挨拶と致します。

公益社団法人日本コンクリート工学会
第26代会長
みはし・ひろぞう

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