ホーム > コンクリートについて > 月刊コンクリート技術 > 2017年4月号
鉄筋コンクリート構造物が火災を受けると,表層部が爆発的に剥離・剥落するいわゆる爆裂現象が生じることがあります。コンクリートが剥落すると内部鉄筋は露出し,高温により品質は大きく低下します。このことから,爆裂はコンクリート工学における重要な研究テーマです。爆裂が生じるメカニズムには,水蒸気圧説(図-1)と熱応力説(図-2)がありますが,いまだに結論は出ていません。
図-1 水蒸気圧説 |
図-2 熱応力説 |
JCIでは,2009年に「コンクリートの高温特性とコンクリート構造物の耐火性能研究委員会(委員長 東京大学 野口貴文教授)」が設置されました。そのなかで,耐火設計と高温時の材料特性および火害診断に関するこれまでの知見や課題が整理され,一定の成果を得ています。一方で,コンクリートの爆裂抵抗性を評価する試験方法については,試験方法の提案にまでは至っていません。そこで,本研究委員会では,WGを2つ設置しました(委員構成はこちら)。WG1では,コンクリートの爆裂抵抗性を評価する試験方法の提案を行い,爆裂メカニズムの解明を目指して活動を行っています。WG2では,火害を受けたコンクリートの劣化診断手法の検討を行っています。また,The 7th InternationalConference of Asian Concrete Federation(ACF2016:期間2016年10月30日-11月2日,開催地:ベトナム ハノイ)において,SPECIAL SESSION OF JCI-KCI JOINT SESSION FOR FIRERESISTANCE CONCRETE(韓国コンクリート工学会と日本コンクリート工学会共催によるコンクリートの耐火性に関するセッション)を行いました。セッションでは,韓国から3編,日本から5編の論文発表があり,活発な議論が行われました。
これらの活動の成果を下記の日時にて報告会を行いますので,皆様奮ってご参加ください。
■委員会報告会
日時:2017年9月22日(金)13:00~16:40(予定)
場所:東京理科大学 森戸記念館 第1フォーラム
(東京都新宿区神楽坂4-2-2)
※プログラム・申込方法などの詳細はこちらをご覧ください。
※会員専用ページには「増刊コンクリート技術2017年4月号」として,本記事より詳細な内容(一部結果含む)が掲載されています。そちらもご覧ください。
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