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コンクリートに荷重が作用しない場合でも変形すなわち体積変化が生じる。体積変化には、乾燥収縮、自己収縮、温度変化による体積変化がある。
モルタルやコンクリートは、吸水によって膨張し、乾燥すれば収縮する。乾燥によりコンクリート中の含水率が小さくなることで生じる変形を乾燥収縮という。乾燥収縮に影響を及ぼす因子は、単位セメント量、単位水量、骨材、部材寸法がある。乾燥収縮は、単位セメント量および単位水量が多いほど大きくなる傾向があるが、単位水量の影響が著しく、骨材の弾性係数が大きく硬質の場合は小さくなり、部材寸法が大きいほど小さい。
セメントの水和により凝結始発以後に巨視的に生じる体積減少を自己収縮という。自己収縮には物質の侵入や逸散、温度変化、外力や外部拘束に起因する体積変化は含まれない。自己収縮の考慮が必要なコンクリートには、高流動コンクリート、高強度コンクリート、マスコンクリートなどがある。 コンクリートの自己収縮に及ぼす配(調)合要因の中では、結合材量、水結合材比、鉱物質混和材の種類とその置換率、および化学混和剤の種類とその添加率などが重要となる。
コンクリートの熱膨張係数は、常温の範囲で1度につき7~13×10-6程度で、水セメント比、材齢による影響は小さい。 骨材の岩質による相違は大きく、石英質が最大で、砂岩、花崗岩、玄武岩、石灰岩の順に熱膨張係数は小さくなる。
鉄筋とコンクリートの熱膨張係数はほとんど同じで、これが鉄筋コンクリート構造が成り立つための前提の一つとなっている。
(上記内容は、コンクリート技術の要点'07からの抜粋です。詳細はそちらをご確認下さい。)