ホーム > コンクリートについて > コンクリートの基礎知識 > 練混ぜ水としての回収水
レディーミクストコンクリート工場の運搬車やミキサなどの洗い排水から、骨材を除いた水を回収水という。
回収水は、セメントから溶出する水酸化カルシウム等を含むアルカリ性の高い上澄水と、スラッジ固形分(大部分が水和生成物で、一部骨材微粒子)を含むスラッジ水に分けられる。
レディーミクストコンクリート工場で回収水を練混ぜ水として使用する場合、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」附属書3の回収水の品質規準に適合したものを使用する。これによると、スラッジ水を使用する場合、スラッジ固形分率は3 %(レディーミクストコンクリートの配合における単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量)を超えてはならない。なお、JASS 5では計画供用期間が“長期”の級のコンクリートおよび高強度コンクリートでは回収水を使用しないよう定めている。
日本コンクリート工学協会・回収水利用委員会では回収水の使用に関する注意事項を以下のようにまとめている。
(1) 上澄水は、練混ぜ水として上水と同様に使用してよい。
(2) 水セメント比、コンシステンシーを一定とするためには、スラッジ固形分率1%につき単位水量、単位セメントをそれぞれ1~1.5%増す。
(3) 細骨材率は、スラッジ固形分1%につき約0.5%減とする。
(4) 空気量が減少する傾向にあるためAE剤や空気量調整剤量を調整する。
(上記内容は、コンクリート技術の要点'07からの抜粋です。詳細はそちらをご確認下さい。)