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本HPは,コンクリート基本技術調査委員会・不具合補修WG報告書の一部をまとめたものである。 ひび割れ以外の施工中の不具合の対処などの詳細については,報告書を参考にしてください。

(報告書は完売いたしました。
コピーサービスが可能ですので、事務局までメールにてご連絡ください。
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ひび割れの対処の要点

ひび割れの原因の例

ポイント

  • ひび割れはコンクリートの引張応力(引張ひずみ:表面・断面)がひび割れが発生した時点でのコンクリートの引張強度(限界ひずみ)を上回ったために生じたもの
  • 原因を考えずに調査するより,可能性となる原因を認識したうえで調査する方が効率的(ただし,予断は禁物)
  • 施工中に発生するひび割れは初期材齢で入ったひび割れであるため,大半の場合,鋼材腐食などの劣化による要因は無視できる

ひび割れの発生原因は大きく分けて,材料・設計・施工の3つの要因がある

材料的要因

(1)単位水量過大
余剰水分の蒸発によるひび割れ
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(2)水和熱過大
熱膨張したコンクリートが冷えるときに,何かに収縮が拘束されることで生じるひび割れ
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(3)骨材の吸水量・微粒分の過大
水和に使用されない水分の蒸発に伴う収縮によるひび割れ

(4)粘性過大・ブリーディング過多
コンクリートの沈降や初期乾燥の影響によるひび割れブリーディングの発生による沈みひび割れ
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設計的要因

(1)構造的な曲げ・引張・せん断力
コンクリートに生じた構造的な応によるひび割れ

(2)複雑な形状
断面急変部における応力集中によるひび割れ


施工的要因

(1)沈みひび割れ
仕上げのタイミングが不適切であったため

(2)不適切な打重ね
打重ね時間間隔が不適切であったため(著しい場合はコールドジョイント)


(3)支保工や地盤の変形・沈下,型枠のはらみ
打ち込んだコンクリートが変形したため

(4)不適切な型枠の脱型作業
型枠との付着によりコンクリート表面が引っ張られたため


(5)先行施工部との収縮差
後打ちコンクリートの収縮が先行施工したコンクリートに拘束されたため

(6)硬化中の振動
コンクリートが固まるまでの間に強い振動を受けたため

(7)初期乾燥,乾燥収縮
硬化直後に著しい乾燥を生じたため


(8)温度差
日照の当たり方のむらによって,温度による伸縮量に偏りを生じたため

(9)配筋不良
鉄筋が所定の位置に無く,応力を負担できなかったため

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