コンクリート工学年次大会2011(大阪)日程/2011.7.12〜7.14  会場/大阪国際会議場
実行委員長の挨拶

 JCI年次大会(大阪)へのお誘い

コンクリート工学年次大会2011(大阪)
〜人と文明を支えるコンクリート むかしから そして明日も〜
実行委員長  宮川 豊章 (京都大学)


 第33回コンクリート工学年次大会は「人と文明を支えるコンクリート むかしから そして明日も」を大会キャッチフレーズとして、7月12日(火)〜14日(木)の3日間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開催いたします。このキャッチフレーズには、コンクリート材料・技術が社会基盤構造物をかたちづくり、人びとの日々の生活における利便向上を図るとともに、生活を豊かにすることで我々の「文明」構築を支えていること、さらにこの関係が昔から今日まで、将来、遠い未来までも長く続いていくという思いを込めています。また大会ポスターでは、コンクリート壁をキャンバスにし、その上に歴史的、近代的な構造物が華やかに、楽しげに描かれたイメージのフレスコ画をモチーフにしています。この手法で描かれた絵画は、その色鮮やかさを長く保つことができるといった特長があり、「むかしから そして明日も」といった大会コンセプトにも一致したものです。

 これまでの長い年次大会の歴史の中で、本大会は記憶に残る年の開催となります。ご承知の通り、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、非常に広域にわたる地震被害を受け、またその影響が国内はもとより、世界にも渡るといった未曾有のものとなっています。お亡くなりになった方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被害をお受けになった方々に衷心よりお見舞い申し上げます。この大震災により、自然の驚異を眼前にすることによって、自然に畏敬の念を抱くとともに、これまでに構築してきた文明を見直す、もしくは新たな文明を興す契機を得ることになるのではと思います。一方で、これまでつくられ、今後つくられる社会基盤において、適切に想定された種々のハザードシナリオ中で、安定してその機能を市民に提供し続けなければならないという使命に変わりはありません。社会基盤構造物に期待される信頼性の高さ、さらにはコンクリート構造物を適切なシナリオをもとに計画、設計、施工、さらに維持管理する重要さを再認識いたしております。

 本大会の開催場所である大阪国際会議場は、天下の台所と呼ばれた時代からの大阪の商業の中心であり、現在もオフィスビルが並んでいる街である大阪市中之島にあります。この場所は大阪が「水の都」であることを象徴するように河川に囲まれた中州に位置しており、周辺には多くの美しい橋が見られます。会場へのアクセスには、京阪電車中之島線中之島駅が最寄りとなります。また、懇親会会場のリーガロイヤルホテルは大会会場のすぐ隣に位置します。

 コンクリート工学講演会では、576件の論文・報告が予定され、コンクリートに関する新たな知見が公表されるとともに、それに対する活発な意見交換を期待しています。このほかにも、例年にならった各種行事、また本大会独自の新規の催しも企画されています。
 コンクリートテクノプラザでは、「コンクリートと人とが出会う"テクノプラザ"」をテーマに、新技術内容の展示・説明のほか、最先端技術を紹介する技術紹介セッションコーナーを設けています。
 生コンセミナーでは「生コンクリートの現場を考える−本音でトーク−」をテーマに5題の話題提供、パネルディスカッションを企画しています。ここでも活発な議論が期待されます。
 特別講演会では、建築家であり京都大学教授の高松 伸先生には「建築とコンクリートの可能性」との題目でご講演いただきます。また、国土交通省国土技術政策総合研究所 所長の西川和廣氏には「東日本大震災からの復旧・復興について−国総研での議論」の題目でご講演いただくことにしています。
 見学会は、「阪神高速道路 淀川左岸線(1期)」と「中之島フェスティバルタワー建設現場見学」の2つのコースを計画しております。
 本大会の新たな催しとしては、コンクリート製の楽器マリンバの展示と演奏があります。豊かな音域をカバーするよう材料を工夫し、できあがりの形状を絶妙に調整した楽器を実際に参加者が試打することもできます。こちらの会場は、本年新たにオープンしたJR大阪駅の時空空間、あるいはアトリウム広場となります。

 大会期間の7月の大阪はお祭りの季節で非常に活気があり、エネルギーに満ちている時期です。このような中、本大会がセメント・コンクリート・建設業界のさらなる飛躍となりますよう、多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。