ピロティー式構造物およびラーメン高架橋の
耐震性能と耐震対策研究委員会

JCI-TC072A
 
委員会設立主旨

 ピロティー構造は、その便利性の故に建築ではその需要は極めて高い。土木では鉄道等のラーメン高架橋はそれそのものである。しかしながら、兵庫県南部地震(阪神大震災)等の大地震では、他のコンクリート構造物と比べて被害の率が非常に高かった。すなわち、既存のこの種構造物の危険性は極めて高い。これに対する有効な対策があるにも拘わらず、関連分野の纏まった対策は採られていない。このままでは、コンクリート構造は社会からの“信用失墜”を招いてしまう。
 阪神大震災以後この種構造物に関する貴重な研究報告が少なからず見られるようにはなったが、これらは散在状態にあるのが現状である。
本委員会では、この現状を解決するため、既存構造物の補強方法、新設構造物の設計法等の研究の取纏めと促進、そして世界をリードする補強法、設計法の確立・体系化を行う。
 参考:(1)ピロティー構造の位置付け(建築):一種の免震層(Soft-story)構造である。すなわち、層剛性比“0.6 〜 ≒0(免震構造)”の範囲をカバーするもので、実務設計に於ける層剛性比の連続化を実現する。(2)効果:極めて経済的に、上層部無被害の免震構造と同様の構造を提供する。


 
活動計画

 初年度は、これまでの研究報告等の取纏めが主たる活動になるが、新たな研究計画(応答解析、新工法、実験計画等)も立案し、次年度に備える。2年目は、補強法、設計法の体系化への活動が主となるが、将来への課題のまとめ、研究計画を行う。なおこれらの活動は、2・3のWGを設けて行う予定であるが、WGの候補としては、「既存構造物の応答解析と補強法の整理」、「一般ピロティー構造の補強・設計法と応答解析」、「新工法の創出、実験計画」等が一応考えられる。


(c)ピロティー式構造物およびラーメン高架橋の耐震性能と耐震対策研究委員会