接合部を有するプレキャスト・
プレストレストコンクリート構造の
設計法研究委員会

JCI-TC-183A
 
委員会設立主旨

 本研究委員会は,プレキャスト(PCa)構造ならびにプレキャスト・プレストレストコンクリート(PCaPC)構造における「接合」に着目し,接合部を含む構造部材の性能評価に必要な本質指標を抽出することを目的とする.
 この背景には,コンクリート構造物の建設に関わる労働者の減少や建設費用・工期の縮減等の社会からの強い要望があり,そのため喫緊の課題である建設分野での生産性向上の実現にある.提案する研究委員会では,構造物の設計・施工における効果的な生産性向上の方策の一つとして挙げられるPCa構造をターゲットとして,PCa構造ならびにPCaPC構造で必然となる「接合」に着目する.
 従来のPCa構造設計では,現場打ちコンクリートと同等として性能担保していたが,今後,多様化が予想される構造に対して,「接合」の存在を明確にとらえ,接合により一体化した部材を終局状態まで適切に制御することが必要となる.つまり,プレストレス力による圧着などで使用状態を制御するだけでなく,「接合部位」の特性を終局状態まで十分に把握する必要がある.ここで提案する委員会では,PCa構造ならびにPCaPC構造の設計に資する国内外の最新の研究動向の把握,特にPCa部材の接合について,土木,建築両分野の研究動向の把握とともに,接合部を含む構造部材の性能評価に必要な本質指標を抽出することを目的とする.


 
 
活動計画

 4つの活動計画を以下に示す.特に,PCa部材の接合に主眼を置いた国内外の研究,規基準の調査,ならびにそれに基づき,接合部を含む構造部材の性能評価指標の確立を目指す.また,その調査結果を反映させたケーススタディを行い,設計上の課題を具体化する.この活動内容について,比較的若い委員長,幹事構成によって実施することを想定しており,既往研究の足跡を顧みつつ,次世代への継続研究することも視野に入れている.
 1)PCa構造ならびにPCaPC構造の設計基準類,研究動向の調査(主に接合部の設計)
 2)PCa構造における接合部の性能評価のための指標化の検討
 3)PCa構造ならびにPCaPC構造における新技術・新材料の適用事例の収集


(c)接合部を有するプレキャスト・プレストレストコンクリート構造の設計法研究委員会