非破壊試験による
コンクリートに生じたひび割れの
補修評価方法の確立に関する研究委員会

JCI-TC163A
 
委員会設立主旨

 コンクリートに生じたひび割れは,内外への物質移動を容易にし,構造物の安全性の低下を早期に引き起こす要因のひとつと考えられる。そのため,ひび割れに対する種々の補修工法が提案されている。また,近年では自己治癒を活用したひび割れの閉塞も試みられている。しかしながら,コンクリート深部でのひび割れ閉塞状況を確認・評価する方法は確立されていない。そこで,本研究委員会では,既存のひび割れ補修や自己治癒作用による内部ひび割れの閉塞を非破壊試験により評価する方法を整理し,将来的なコンクリート構造物における維持管理方法の一助とすることを目的とする。


 
 
活動計画

 下記の項目に関して4つのWGを構成し調査,検討を行う。
 ・WG1 ひび割れ補修工法の整理および補修方法・目的を考慮した評価項目の抽出
既存のひび割れ補修工法を整理するとともに,補修目的を劣化時期,管理者レベル(技術,財源,維持管理レベル)等を加味して明確にする。また,その補修目的に対し,評価すべき項目を抽出し,他のWGへ情報提供する。
 ・WG2 ひび割れの補修評価に関する事例の整理
WG1の成果に基づき,ひび割れの補修評価に関する既往の事例を整理するとともに,ひび割れ補修の評価についての解決すべき課題を抽出する。
 ・WG3 非破壊検査方法の整理と分類
非破壊試験方法を整理するとともに,WG1で掲げたひび割れ補修の評価項目に対
して,適用可能な手法を分類する。これまでの非破壊試験の検討事例に基づいて議論を行うとともに,新たな手法の適用可能性に関しても追求する。
・WG4 評価フローの構築と維持管理システムの将来像
本研究委員会での成果を全体の維持管理システムの一部ととらえ,構造物のライフスパンの中での運用方法を整理する。本WGでの議論に関しては,ひび割れ補修のみに限定せず,コンクリート構造物の維持管理体系における補修評価の在り方にまで及ぶよう広く議論を進めていく。


(c)非破壊試験によるコンクリートに生じたひび割れの補修評価方法の確立に関する研究委員会