社会情勢とコンクリート産業構造の
関連性検討 研究委員会

JCI-TC-103A
 
委員会設立主旨

 社会的に建設投資が減少し「造ることから守ることへ」の変革の今、建設産業の必要性に関する議論やイメージダウン、さらには将来への不安も重なり、建設/コンクリート産業の人気が低迷し、結果として業界全体の活力低下が目立ってきている。

 本研究委員会では今後の建設/コンクリート産業が進むべき方向性を、将来の産業を担う若手が、社会情勢や第三者からの見られ方も意識しながら、中心となって議論し、その成果を世の中に発信していくことを目的とする。

 議論の主な視点は次の3つとし、過去から現在の社会情勢と建設/コンクリート産業構造の関係を整理すると共に、他産業や諸外国の事例調査や、建設産業以外の識者の提言や指摘事項なども参考とする。

 (1) 産業構造:現在のコンクリート産業は、高度経済成長に対応すべく構築されたものであると考えられ、今後一層多様化するニーズに対してフレキシブルに対応できるシステムとはどのようなものかを議論
 (2) 技術論:将来の環境・社会・経済状況を見据え、技術としてのあるべき方向性を議論(個別技術ではなく総論としての議論)
 (3) 教育論:産業の核となる”人”の教育について、大学や社会での今後の教育システムについての議論


 
 
活動計画

 従来の研究委員会とは異なり、本研究委員会の検討課題を専門とする技術者・研究者は殆ど居ないうえ、課題解決のための方法論も大きく異なる。「個人の知識を組織的に共有し、より高次の知識を生み出す」ためのナレッジマネジメントを実現する場合、そのフレームワークとしてSECIモデル(共同化、表出化、連結化、内面化)が提唱されている。本研究委員会では、このSECIモデルに基づいた知識の体系化・構造化を行うとともに、国内外の建設/コンクリート産業および関連する社会情勢の形式知を整理し、最終的に将来の建設/コンクリート産業の進むべき方向性に関して議論を進める。具体的には以下のWGを設置し、検討を進めていく。

1年目:調査のためのWG設置
WG1 コンクリート産業の変遷調査WG
 技術、契約・商取引・商慣習・ビジネスモデル、人材等を主な検討の視点とし、過去から現在までの変遷を調査する。全国的なものと地域固有のもの、土木と建築の違い等の対比的な調査も実施する。
WG2 海外におけるコンクリート産業調査WG
 調査の視点は、WG1と同様であるが、変遷の調査ではなく、現況について先進国を中心に調査する。
WG3 社会情勢調査WG
 環境・社会・経済状況の変遷を整理するとともに、関係者以外から見た建設業(コンクリート産業)の姿に関しても整理する。また、経済産業省 産業競争力部会〜産業構造ビジョン〜などが実施している、他産業および国内産業全体の将来ビジョンに関する提言等の情報も整理する。

2年目:1年目の成果に基づき今後の展開を議論
 WGは再編し、産業構造、技術論、教育論の3つの視点から、将来のコンクリート産業の進むべき方向性に関して議論し、報告書としてとりまとめる。

 本研究委員会のメンバーは若手が中心であるため、シニアの技術者・研究者および他分野の有識者の知識・経験等の収集は、全体委員会での講演やヒアリング調査等によって行う予定である。
 2年間の全体委員会、WG、幹事会の開催予定を下表に示す。

全体委員会WG幹事会
20105月  
6月  
7月  
8月  
9月  
10月 
11月 
12月  
20111月 
2月 
3月  
4月 
5月  
6月  
7月 
8月 
9月  
10月 
11月 
12月  
20121月 
2月 
3月  

(c)社会情勢とコンクリート産業構造の関連性検討 研究委員会