微破壊試験を活用した
コンクリート構造物の健全性診断手法
調査研究委員会

JCI-TC-101A
 
委員会設立主旨

 構造物のライフサイクルコスト最小化を実現するために構造物の長寿命化が求められるようになってきた。コンクリート構造物においても、検査技術、健全性診断技術、寿命予測・評価技術、補修・補強技術に関する研究開発が活発に行われている。しかしながら、現状の健全度と将来予測について明確に答えられる状況に至っていない。
 近年、検査手法の進歩はめざましく、非破壊検査だけでなく小口径コアやドリル削孔等の微破壊検査技術が活用され、部材レベルでの劣化データを精度良く把握できるようになってきた。
 しかしながら、現状では「検査=劣化データ採取の段階」に留まっており、目標である「劣化予測・評価」といった「健全性診断」にこれらの結果が十分に活用されているとは言い難い。
 本委員会は、これまで種々提案されている微破壊あるいは非破壊と組み合わせた検査から得られたデータをどのようにして要素の劣化状況の判定に結び付けているかを調査することから始める。最終的に、検査から健全性診断までを統一的に評価する手法を確立することを目的に、構造物の健全性はどんなパラメータで評価するのが合理的であるかについて検討し、これを提案できるよう活動する。


 
 
活動計画

 1年目は3〜4回程度本委員会を開催し、個別課題に対しWGを設置し調査活動を行う。設置WG(案)は以下のとおり

(1) 耐久性に関する取り組み推移WG:コンクリート工学協会における80年代後半から取り組まれた、耐久性関連の内容を整理。
(2) 微破壊試験検査の現状整理WG:微破壊試験(小口径コア、ドリル削孔の現状レベルと今後の方向性、課題を整理
(3) 補修・補強の現状整理WG:設備管理各社における補修・補強の実態調査、要素(部材)の劣化状態で補修・補強に至っている現状を浮かび上がらせる。
(4) 微破壊試験による健全性診断法の提案WG:要素劣化による補修・補強から構造物劣化による補修・補強の思想を検討。提案

 2年目は成果報告書作成に向けた検討


(c)微破壊試験を活用したコンクリート構造物の健全性診断手法調査研究委員会