プレキャストコンクリート製品の設計と利用研究委員会

JCI-TC071A
 
委員会設立主旨

21世紀における社会の発展を図る上で、持続可能性を確保することが最も重要な課題となっており、建設分野においてもエネルギーや資源の温存を図りながら品質の優れた耐久的な社会資本を構築していくことが求められている。従来からプレキャストコンクリート製品(PCa製品)は品質が安定しており工期短縮が可能などのことから、低コスト・高耐久性のコンクリート構造物の構築が可能とされているが、我が国におけるPCa製品の利用は13%程度にとどまり、欧米に比較して極端に少ないのが現状である。
最近では、高強度・高耐久性など高機能を付加した製品が開発されている。一方リサイクル材の利用も活発に進められており、PCa製品の利用は今後様々な分野に広がる可能性があるものと思われる。
本委員会ではPCa製品特有の課題を整理・検討し、PCa製品の発展・普及に資する技術資料を整備することを目的とする。


 
 
活動計画

本委員会では以下のワーキンググループ(WG)を設けて活動する。
(1)設計方法WG
構造物の設計方法は限界状態設計法が基本であるが、PCa製品の場合許容応力度設計法が用いられているケースが多い。限界状態設計法を用いることの是非及び整合性について、さらにはPCa製品を組み立てる際に問題となる接合等について検討する。
(2)高機能製品WG
PCa製品においても高強度・高耐久性や軽量などの高機能を付加した製品が求められている。国内外の最新技術の整理と今後の展望をまとめる。特に建築部材においては、合理的施工の観点から新しいPCa製品の利用する機会が増加しているが、JASS5、JASS10や建築基準法第37条との整合性について課題が残っており検討する必要がある。
(3)技術者育成WG
PCa製品工場は小規模のものが多く、コンクリート技士、主任技士等の有資格者が少なく、技術レベルの低い工場も多数存在する。そこで、PCa工場を対象とした指導書を作成し、技術レベルの向上を図る。
(4)リサイクル材等利用WG
資源の枯渇や循環型社会の構築の観点から、低品質骨材やリサイクル材の有効利用がこれまで以上に強く求められる。しかし全ての材料を受け入れることはできないことから、受入れ可能な材料の整理と使用方法をまとめる。

以上のWGの他、PCa製品全体の課題や各WG間に関わる問題を検討するために、委員長、幹事および各WGの主査からなる全体調整会議を適宜開催することとする。


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