非線形有限要素解析法の利用に関する研究委員会

JCI-TC064A
 
委員会設立主旨

 コンクリート構造物の非線形解析法は、設計・照査の際の実用的な手法として多くの技術者が扱うツールとなりつつある。非線形有限要素解析は、複数の構成モデルの組合せ、非線形過程の解析理論の取扱い、コンクリートのような軟化材料を適用した場合の数学的な問題点、等を理解した上で信頼できる解が得られるものであり、従来はある程度の経験を持った技術者のみにモデル化や結果の妥当性の判断が委ねられていた。しかし、多くの技術者が使うツールとなりながらも、過去に蓄積された知見は必ずしも現状の利用に活かされていない。また、得られた結果の妥当性を如何に評価すべきかも必ずしも一般化されていない。このことは、非線形有限要素解析の信頼性を損ない、将来の有効利用にも影響する可能性がある。
 そこで、@非線形有限要素解析を利用する際の問題点の検討、A構造解析モデル作成のための手順の検討、B構成モデルの整理と適用範囲の検討、Cひずみ等の局所情報の利用法の検討、D解析結果の評価法の検討、E非線形解析の有効利用法の例示、など既往の知見の整理を行いながら、非線形有限要素解析の信頼性向上と一般化のための検討を行う。最終的な成果物として「コンクリート構造物への非線形有限要素法利用のためのガイドライン(案)」の作成を目指す。


 
 
活動計画

 本委員会内に、非線形有限要素解析のガイドラインの作成を担当するワーキンググループ(WG1)と、非線形解析のState-of-the-artを取りまとめるワーキンググループ(WG2)を設置する。このWG2では、ガイドラインを作成する上で必要な解析を行い、その知見をWG1に供給する。
 1年目は、ガイドラインを作成する上で不足する情報や知見の洗出しと非線形解析に関する最新の成果の調査を行う。2年目は、上記の情報や知見を得るための解析を実施し、ガイドラインの完成を目指すとともに、非線形解析の有効利用方法について検討する。


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