日本コンクリート工学会の創立50周年記念事業について
創立50周年記念事業実行委員会委員長 丸山久一
日本コンクリート工学会(JCI)は本年7月12日(日)に創立50周年を迎えます。これを記念いたしまして、実行委員会ではいくつかの事業を計画しております。
(1)7月12日には記念式典および祝賀会を開催いたします。
(2)本会の新たな会員制度として終身会員(50年以上会員である方)、フェロー会員を定めます。
(3)本会と学術協定を締結している海外の団体の代表者等を記念式典、祝賀会に招いて交流を深めます。
(4)創立50周年記念国際会議・シンポジウムを開催いたします。6月1日~3日には、長崎市で「コンクリート構造物の再生・保全」に関する国際会議を、また、7月13日には都市センターホテルで3つのテーマ「マルチスケールモデルを通じたコンクリート工学・科学の体系化」、「建設材料の新たな可能性 ~コンクリート用未利用資源の有効利用への提言~」および「コンクリート構造物の耐震・強靭化」(第2回ACI & JCIジョイントセミナー)について国際シンポジウムを実施いたします。
(5)本会の紹介、コンクリート技術の基礎および新技術の紹介をまとめたDVDを作成し、配布いたします。
(6)創立50周年の記念誌を出版いたします。
10年前の創立40周年記念事業では、会員の中で特に本会の発展に寄与された方々を顕彰するために「功労賞」を新たに設置しました。今回、創立50周年記念事業では、50年以上本会会員として貢献された方々(本会創立時からの会員)を終身会員とし、30年以上会員として貢献された方々をフェロー会員とする新たな制度を立ち上げることにいたしました。
学術の分野では国際的な交流が一般化していて、本会も世界のコンクリート関係団体(ACI、RILEM、KCI、IBRACON、IMCYC)と学術交流協定を結んでいます。その代表者をはじめ、ACFやfib等、海外の団体の代表を記念式典、祝賀会に招待し、簡単な講演をして頂いて国際交流を深めるとともに、創立50周年記念国際会議・シンポジウムを開催いたします。6月1日~3日には、長崎ブリックホールにおいて、長崎県にある通称“軍艦島”にあるわが国最初の鉄筋コンクリート造の集合住宅(1916年建造)をモチーフとしてコンクリート構造物の再生・保全に関する国際会議を開催いたします。7月13日の国際シンポジウムは、国内外の著名な研究者・技術者による招待講演を主とするもので、現在、最もホットな3テーマを取り上げ、3会場パラレルで開催いたします。
創立40周年記念事業では、「日本のコンクリート100年」と題する記念誌を刊行いたしましたが、今回は、DVDというメディアを用いて本会の紹介とコンクリート技術の基礎および新技術の紹介を行うこととしました。この中に創立50周年の記念誌も含めることにいたします。なお、記念誌は40周年でとりまとめた内容にその後の10年の経過を追加するものです。
本会の50年にわたる略歴を以下にご紹介いたします。
本会創立40周年の際にまとめられた「日本コンクリート工学協会40年のあゆみ」によりますと、1961年にACIの日本支部として発足し、その後、建設省(当時)、土木学会、日本建築学会の関係者やプレストレストコンクリート、セメント、鉄鋼等の関係者が懇談を重ね、1965年7月12日に任意団体の「日本コンクリート会議」を設立しました。これが本会の基盤です。その後、1967年に社団法人となり、1975年に「(社)日本コンクリート工学協会」、2011年に「公益社団法人日本コンクリート工学会」と名称等を変更して今日に至っています。
本会の資格事業としては、1971年に創設したコンクリート技士、主任技士制度、2001年に創設したコンクリート診断士制度があります。いずれの制度におきましても受験のための講習会と資格試験を行っていて、2015年4月1日時点でコンクリート技士43,350名、主任技士10,202名、コンクリート診断士11,105名の方々が資格を付与されています。これらの資格は、公共工事等で発注要件となっていて、社会に広く受け入れられているとともに、コンクリート技術者の社会的地位を高めることにも大きく貢献しています。
会員数は、団体会員も含め、1965年の発足時に842人でした。10年後の1975年では4,214人、20年目では6,613人、30年目で7,720人、40年目の2005年では8,101人と順調に増えておりましたが、現在は若干減少気味で、2014年末では7,294人となっています。
最後に、実行委員会の部会と部会長名を記します。
総務部会: | 部会長 二羽淳一郎 東京工業大学教授 |
講演部会: | 部会長 睦好宏史 埼玉大学教授 |
特別行事部会: | 部会長 芳村 学 首都大学東京教授 |
DVD部会: | 部会長 早川光敬 東京工芸大学教授 |
出版部会: | 部会長 野口貴文 東京大学教授 |