鉄筋コンクリート構造

鉄筋コンクリート(RC)構造は、コンクリートと鉄筋が一体となって外力に抵抗する構造であり、コンクリートと鉄筋は次のような役割を果たしている。

 (1) 引張応力度の負担

 コンクリートは引張強度が小さいので、通常コンクリートの引張抵抗は無視し、引張応力度は鉄筋で受け持たせる。無筋コンクリートばりに曲げモーメントが作用し、断面引張側(はり下面)の応力度がコンクリートの引張強度を超えると、ひび割れが発生して瞬時に破壊に至るので、断面引張側に鉄筋を配し、鉄筋コンクリートばりとして抵抗させる。

 (2) 圧縮応力度の負担

 圧縮応力度は、主にコンクリートが負担するが、一部圧縮鉄筋も負担する。圧縮鉄筋の量が多いほどコンクリートの負担が軽くなり、靱じん性(変形能力)が向上する。

 (3) せん断力の負担

 せん断力は、コンクリートとせん断補強筋が負担する。せん断補強筋としては、はりではスターラップ(あばら筋)または折曲鉄筋、柱ではフープ(帯筋)またはらせん筋がある。

 コンクリートと鉄筋には、以上のような役割のほか、相互の性能を高め合う次のような効果もある。

 (4) コンクリートで鉄筋を包む効果

 コンクリートは強アルカリ性で、鉄筋のさびを防ぐほか、かぶり(厚さ)を確保することにより、塩分や有害物質が鉄筋位置まで達することを防ぐ。また、鉄筋は熱に弱いが、コンクリートで包んで耐火性をもたせることができる。

 (5) 鉄筋でコンクリートを包む効果

 主筋、せん断補強筋でコンクリートを包み、拘束することにより、耐力と靱じん性が向上する。また、地震時のような繰返し応力を受ける場合には、コンクリートの脱落を防止し、耐力の低下を防ぐ。特にらせん筋は、有効である。

鉄筋コンクリート構造の全般的な長所と短所は、構造的特徴を含めて、以下のようである。

長所

 (1) 耐久性、耐火性、耐震性に優れている。

 (2) 種々の形状寸法の構造物を容易につくることができる。

 (3) 材料の入手が簡単で、設備も少なくてすむ。

 (4) 建設費が比較的少なくてすむ。

短所

 (1) 自重が大きい。このため、地震時の慣性力が大きく、部材や基礎が大きくなるほか、はりのスパン長も制限を受ける。

 (2) コンクリートの引張強度が小さく、ひび割れが発生する。

 (3) 強度発現に時間がかかる。

 (4) 構造物の品質が施工の良否に影響されやすい。

 (5) 改修および取壊しが困難な場合が多く、多額の費用を要する。

(上記内容は、コンクリート技術の要点'07からの抜粋です。詳細はそちらをご確認下さい。)

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