アルカリ骨材反応

アルカリ骨材反応とは、広義にはコンクリートの細孔溶液中の水酸化アルカリ(KOH や NaOH)と、骨材中のアルカリ反応性鉱物との間の化学反応をいう。一般には反応生成物(アルカリ・シリカゲル)の生成や吸水に伴う膨張によってコンクリートにひび割れが発生する現象をアルカリ骨材反応という。

アルカリ骨材反応は、T.E. Stantonによって 1940 年に初めて報告された。わが国でも1950 年頃から調査報告はあるが、1980 年代に入ってアルカリ骨材反応による早期劣化が顕在化した。アルカリ骨材反応は、アルカリシリカ反応(ASR)、アルカリ炭酸塩岩反応、アルカリシリケート反応の3つに分類されているが、アルカリシリケート反応はアルカリシリカ反応の一種とも考えられている。通常わが国でアルカリ骨材反応といわれているものは、一般にアルカリシリカ反応(ASR)をさす。

 ASR が進むと、コンクリート構造物には、ひび割れ、ゲルの滲出、目地のずれなどが生じる。ひび割れの発生は、膨張に対する拘束状態により異なり、拘束の小さな無筋コンクリート構造物などでは亀甲状のひび割れが生じ、鉄筋コンクリート構造物では主筋方向に、部材両端が強く拘束されている構造物では拘束されている面に直角にひび割れが生じる。ASR によるひび割れは部材内部まで達していないことが多い。そのため、ひび割れが生じてもコンクリート構造物の部材の耐力が直ちに低下することは少ないといわれている。しかし、最近、アルカリ骨材反応による膨張力によって、伸び能力の低い鉄筋曲げ加工部や圧接部周辺で鉄筋が破断する場合のあることも報告されている。アルカリ骨材反応を生じると、凍害や化学的侵食に対する抵抗性が低下し、コンクリート中の鋼材が腐食する可能性が増大することが知られている。

(上記内容は、コンクリート技術の要点'07からの抜粋です。詳細はそちらをご確認下さい。)

ページの先頭へ