材料

Q1. コンクリートを漢字で書くと?

A1. 「混凝土」です。ちなみに中国語でも同じ表記です。
(回答者:K.K.)

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Q2. セメントにもいろいろ種類があるのですか?

A2. 日本工業規格(JIS)には、大きく分けて5つのセメント規格があります。
(1)ポルトランドセメント(6種類およびその低アルカリ形の合計12種類)
(2)高炉セメント(3種類)
(3)シリカセメント(3種類)
(4)フライアッシュセメント(3種類)
(5)エコセメント(2種類)
一般に「セメント」と言えば(1)の中の「普通ポルトランドセメント」と考えてよいでしょう。(2)、(3)、(4)を総称して「混合セメント」と呼んでいます。(5)の「エコセメント」は、2002年に制定された資源リサイクル型の新しいセメントです。
(回答者:J.S.)

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Q3. 骨材にはどんな種類があるのですか?

A3. 大きく分けて、天然骨材、半人工骨材、人工軽量骨材に分けることが出来ます。天然骨材とは、川砂、海砂、山砂利などで、半人工骨材とは、砕石、砕砂などで、人工軽量骨材は、天然の岩石鉱物を加熱し、発泡させた骨材です。
(回答者:U.M.)

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Q4. 「エコセメント」とは、どんなセメントですか?

A4. 都市ごみを焼却した際に発生する灰を主原料として製造される資源リサイクル型のセメントで、2002年7月に制定されました。エコセメントはその特徴によって以下の2種類に分類されています。
普通エコセメント・・・塩化物イオン量がセメント質量の0.1%以下のもので、普通ポルトランドセメントに類似した性質をもっています。
速硬エコセメント・・・塩化物イオン量がセメント質量の0.5%以上1.5%以下のもので、速硬性をもつセメントです。鉄筋コンクリートには適用できません。
(回答者:J.S.)

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Q5. コンクリートの製造に用いられる水の働きについて教えて下さい。

A5. コンクリートは、水とセメントとの化学反応により生成されるセメント硬化体(セメントペースト:接着剤)により砂や砂利を接着し、要求される強度を兼ね備えた構造材料となります。一般にコンクリートの強度は、接着剤の濃度、すなわち、水セメント比によって制御されます。高い強度を求めるには水の量を少なくすることが必要となります。したがって、コンクリートに必要な水の量は、施工時に支障をきたさない範囲で少ないことが望まれます。水和反応に必要な水の量は、一般にセメント質量の約30%と言われています。しかしこれでは水和反応がスムーズに進まず、また、硬く施工できません。そこで、一般的にコンクリートの水セメント比は「40〜60%」の範囲で用いられています。これから30%に相当する水を引いた残りの10〜30%に相当する水は、コンクリートの施工に必要な水であり、コンクリートの硬化・強度発現には不必要な水となります。この水が多いほどコンクリートの品質(強度や耐久性など)は低下することとなります。
ところで水和時には、水和熱や外気温の上昇、湿度の低下により、コンクリート中の水分が蒸発して、コンクリートの硬化・強度発現に必要な水分まで不足することになります。そこで、コンクリート打設後の養生では水の蒸発を防ぐ、または補う必要があります。
(回答者:T.U.)

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Q6. コンクリートの締固めの目的は何ですか?

A6. フレッシュコンクリートに振動を与えると粘性が低下して流動化する現象があります。コンクリートの締固めとは、振動機等を用いて型枠にコンクリートを充填することです。締固めの目的は、以下のとおりです。
(1)型枠の隅々まで、また鉄筋や埋設物の周辺にコンクリートを均一に密実に充填させる。
(2)余分な空気(エントラップトエアー:練混ぜ時に巻き込まれる空気)を排除する。
(3)先に打設したコンクリートと後から打ち足すコンクリートを一体化させる。
締固めには、コンクリートに直接差し込んで振動を与える棒状のバイブレーターや型枠に振動を与える型枠用バイブレーターなどがあります。
締固めが不十分だと、ジャンカ(コンクリートの表面部または内部に、粗骨材のみが取り残されたような形で生じる空隙部分からなる欠陥部分)が生じる場合があります。
(回答者:T.U.)

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Q7. コンクリート中の鉄筋はなぜ腐食するのですか?

A7. 鉄筋は、強アルカリ性のコンクリート中では不働態被膜を形成して防錆された状態にあり錆びることはありませんが、コンクリートが中性化してpHが低下すると、不働態被膜を自己補修できなくなり錆が発生するようになります。鉄筋の腐食反応は、鉄筋表面から鉄イオン(Fe2+)が細孔溶液中に溶出するアノード反応(Fe→Fe2++2e-)と鉄イオンが鉄筋中に残した電子(2e-)が酸素と水と反応するカソード反応(1/2O2+H2O+2e-)→2OH-)とに分類され、これらが同時に生じるときに進行し、アノード反応の部分で鉄筋腐食が生じて断面が減少します。
(回答者:K.Y.)

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Q8. 一般のコンクリート以外の最先端コンクリート技術を教えて下さい。

A8. 一般のコンクリートは圧縮には強いが引張りには弱い(脆い)という性質があります。近年、こうしたコンクリートの弱点を克服した「高靭性セメント複合材料」と呼ばれる材料が開発されています。この材料は、従来からあった短繊維補強コンクリートの引張側の変形性能を大幅に高めたもので、強度はあまり大きくはありませんが、鉄のように伸びたり曲がったりする性質を持っています。また、「自己補修コンクリート」という材料も研究されています。この材料は、一度固まったコンクリートにひび割れが発生しても、コンクリート中に存在する未反応のセメント粒子に再度水分を与えることによって反応させ、ひび割れを自己補修させるというコンセプトのものです。
(回答者:H.S.)

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Q9. 廃棄されるコンクリートの再資源化技術の現状はどうなっていますか?

A9. コンクリートに含まれる粗骨材に関しては、これまでの研究によって実際の製造プロセスが確立されています。一方、セメントや細骨材に関しては、まだ研究段階ですが、いわゆるゼロエミッション化に向けた積極的な研究も行われており、近い将来の実用化が期待されています。
(回答者:H.S.)

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Q10. 鉄筋コンクリート建物が火災を受けたらどうなりますか?

A10. 建物が火災を受けると1時間程度で約1000℃の高温にさらされます。コンクリートがこのような高温を受けた場合は、コンクリート中の水分の脱水やセメント水和物の分解などの反応が生じセメント水和物が劣化したり、急激な乾燥や熱応力によってコンクリート表層にひび割れや剥離などの損傷や強度低下を引き起こすなどの劣化現象を生じる場合があります。
 火災を受けたコンクリートの劣化の程度は、火災の規模、種類、コンクリートの受熱温度の高さや受熱時間、コンクリート表面の仕上げの種類、コンクリートの材料や配合、乾燥条件などによって異なります。
 高温によってセメント水和物は、600℃程度まで水和物の脱水、600℃〜900℃で水和物の分解、1100℃〜1200℃でコンクリートの融解が起こります。また受熱温度が高いほどコンクリートの圧縮強度が低下し、500℃で常温時の約50%、800℃で約10%程度となります。コンクリート中の鉄筋の引張強度は600℃程度までは冷却後は回復しますが、600℃以上では強度が低下し、火災を受けた鉄筋コンクリート部材は耐力が低下することになります。
ただし、一般的には鉄筋コンクリート構造物は他の材料に比べ火災安全上優れた構造物であり、コンクリートのかぶりによって鉄筋が保護されているため、一般的な1時間から3時間程度の火災に対しては、構造物の崩壊などの重大な損傷には至らず、火災後、適切な診断に基づいて補修・補強することにより復旧することが可能です。
(回答者:K.M.)

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Q11. 建物の打放しコンクリートの美観を保つ仕上げ方法はどのようなものですか?

A11. 建築物の打放しコンクリートは、外壁などに打ち込んだコンクリートの肌をそのまま見せる工法で、コンクリートの造形性を生かし、素材の持つ独特の色調、肌合い、重厚さなどの質感などが好まれ、建物の仕上げ工法の一つとして採用される場合があります。
 打放しコンクリートは型枠を脱型した時点で美観と耐久性が決まるため、適切な型枠やコンクリート材料の選定、入念な施工が必要となります。しかし、コンクリート表面は建物の形状や環境条件によっては、雨水や塵埃、黴などの作用により汚れがつきやすく、美観や耐久性を損なう場合があります。
 このため、近年では、コンクリートの持つ質感を生かし、かつ美観や耐久性を保持する目的で無色透明な表面仕上げ材料が用いられるようになってきました。塗布材の種類としては、コンクリート表面に含浸し水分などの侵入を防ぐシラン系化合物などを利用した浸透性吸水防止材や、アクリル樹脂やフッ素樹脂などの透明樹脂塗装があります。これらにより美観の保持と同時に中性化抑制や塩分などの浸透抑制によって耐久性が向上します。ただし、塗布材料の種類や環境条件によっては表面保護性能の保持期間が低下するため、定期的なメンテナンスが必要となります。
(回答者:K.M.)

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Q12. 鉄筋に発生した錆びは、どの程度まで許容されるのでしょうか?

A12. 鉄筋に生じた小量の錆びは、コンクリートとの付着の面では、むしろ付着強度を増大させる効果があるので、むやみに錆びを落とす必要はありません。ただし、錆びが進行し浮き錆びの状態になったものは、付着強度の低下だけでなく、鉄筋としての必要な断面積が減少している可能性があるので、対策が必要です。
 錆びは木槌などで叩き落したり、ワイヤーブラシですり落したりします。大量にある場合は、サンドブラスト処理が効率的です。
 錆びを落とした鉄筋の単位長さ重量がJISの規格値を満足していない場合は、設計上、断面積の減少を補う必要があります。鉄筋の本数を断面積の減少分に応じて増やしたり、1ランク小径の鉄筋として扱うなどします。
(回答者:S.Y.)

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Q13. 混和材と混和剤は何が違うのですか?

A13. 混和材は使用量が比較的多くて、それ自体の容積がコンクリート等の練り上がり容積に算入されるものです。具体的には、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフュームなどがあります。一方、混和剤は使用量が比較的少なく、それ自体の容積がコンクリート等の練り上がり容積に算入されないもので、具体的には、AE剤、減水剤、遅延剤などがあります。
(回答者:U.M.)

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Q14. フレッシュコンクリートとはどんなコンクリートですか?

A14. 練り混ぜ直後から凝結に至るまでの、まだ固まらないコンクリートのことです。凝結とは、練り混ぜたコンクリートがセメントの水和に伴い液体から固体に変化することです。
(回答者:U.M.)

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Q15. コンクリート中の単位水量に上限値が定められていますが、単位水量が多いとどのような問題があるのでしょうか?

A15. 単位水量は、セメントとの水和反応に必要な水量に加えて、主に施工に必要な水量として設定されており、コンクリート中の水の全てがセメントと水和反応するわけではありません。水和に必要のない余剰水はコンクリート硬化後には蒸発して空隙となります。従って単位水量の多い配合ほど空隙の多いコンクリートとなり、中性化や塩分浸透が生じやすく、また、乾燥収縮も大きくなります。
(回答者:H.K.)

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Q16. コンクリートには所定の空気量が必要とされていますが、コンクリート中の空気はどのような役割があるのですか?

A16. コンクリート中の空気はフレッシュ時ではワーカビリティーに影響し、空気連行剤によってコンクリート中に多くの独立した微細な空気泡を一様に連行することにより、ワーカビリティーが良好となります。また、硬化後のコンクリートにおいては耐凍害性が向上します。しかし、空気量が多くなると強度低下や乾燥収縮がおおきくなるので空気量は粗骨材の最大寸法およびコンクリートの種類に応じて定められており、粗骨材の最大寸法が20〜40mmの普通コンクリートでは4〜7%を標準としています。
(回答者:M.K.)

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Q17. コールドジョイントとは何ですか?

A17. 連続してコンクリートを打ち込む場合に、打設を長時間中断したり、打込み順序が適当でないことなどにより、先に打設したコンクリートの凝結が始まり、先に打設したコンクリートと後から打設したコンクリートとが完全に一体化しないことにより発生してしまう施工継目をいいます。コールドジョイントは、コンクリートの一体性を阻害するため、構造物の耐久性、水密性などを低下させる原因となります。
(回答者:M.O.)

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Q18. 「ジャンカ」って何ですか?

A18. 打設されたコンクリートの一部に、モルタルが充填されず、粗骨材粒のみが取り残された形で生じる空隙の多い不良部分を言います。ジャンカが生じやすい部位として、設備の埋め込み金物や配管などの下部、壁脚部などが挙げられます。また、別名、「豆板(まめいた)」、「す」とも言います。
(回答者:T.K.)

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Q19. ポップアウトとはどのような現象をいうのですか?また、原因は何ですか?

A19. コンクリート表面が内部に含まれていた膨張性反応物質(ポッアウト核)の膨張に起因して、円錐状に剥離する現象です。ポップアウト自体はコンクリートの表層部分に限って発生する現象であり、コンクリート全体の力学的性質に及ぼす影響は、通常比較的軽微ですが、美観上及び鋼材の防食に関する耐久性上で問題となります。
 ポッアウトは、主に骨材に起因するもの、凍結融解作用に起因するもの、膨張材反応物質の混入に起因するものなどあります。
(回答者:Y.S.)

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Q20. コンクリートの中性化とはどのような現象をいうのですか?

A20. 硬化コンクリートは、セメントの水和によって生成される水酸化カルシウム(Ca(OH)2)に起因して初めはpH12〜13の強アルカリ性を示していますが、空気中の炭酸ガス(CO2)の作用を受けると水酸化カルシウムが炭酸カルシウム(CaCO3)に変化し、徐々にコンクリート表面からアルカリ性を失っていきます。この現象を中性化と呼んでいます。化学式で表せば、以下のようになります。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
(回答者:K.Y.)

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Q21. コンクリートのかぶりはなぜ必要なのですか?

A21. かぶりとは「コンクリート表面と鉄筋表面との最短距離を測ったコンクリートの厚さ」を言います。かぶりを確保する主な目的は、次の点です。
(1)コンクリートと鉄筋の付着を確保する
(2)中性化や塩分の浸透などから、鉄筋の腐食を防ぐ
(3)火災から鉄筋を守る
かぶり厚さの最小値は建築基準法や建築学会標準仕様書、土木学会示方書、構造物の設計基準などに定められています。コンクリートを打ち込む前に、鉄筋と型枠の間に適切な大きさのスペーサーと呼ばれる治具を設置して鉄筋の位置とかぶり厚さが適正になるよう施工が行われます。
(回答者:K.M.)

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Q22. コンクリートのクリープとはどのような現象ですか?

A22. コンクリートに一定の応力が保たれている状態でも、時間の経過と共にひずみが増加する現象です。
(回答者:Y.S.)

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Q23. 高流動コンクリートと流動化コンクリートのちがいは何ですか?

A23. 高流動コンクリートは材料分離抵抗性を損なうことなく流動性を著しく高めたコンクリートのことで、通常、スランプフロー50cm〜70cmです。 レディーミクストコンクリートの場合、空気量は3.0%または4.5%程度、生コン工場で高性能AE減水剤を使用し単位セメント量を増加するかまたは分離低減剤(増粘剤とも称します)を用いた配(調)合で練り混ぜます。
 流動化コンクリートは練り上がったコンクリート(ベースコンクリートと称します)に流動化剤を後から添加してスランプを増大したコンクリートのことで、通常、ベースコンクリート→流動化コンクリートのスランプは15cm→18cm、21cm、18cm→21cm、23cmです。 生コン工場でAE減水剤を使用し空気量4.5%のベースコンクリートを練り混ぜ、ミキサー車に積載し、ミキサー車のドラムに流動化剤を投入し高速攪拌してスランプを増大します。
(回答者:I.U.)

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Q24. 打設直後の初期ひび割れを防ぐにはどのような方法がありますか?

A24. 一般的な初期ひび割れには、「沈下ひび割れ」と「プラスティック収縮ひび割れ」があります。
・沈下ひび割れ:型枠に打ち込まれたコンクリートは、ブリーディングによる水の上昇と硬化収縮により、打設後数時間内に沈下が生じます。鉄筋等の有無により、コンクリートの沈下量に差が生じた場合、コンクリート表面にひび割れが生じます。これを沈下ひび割れといいます。
コンクリートの材料分離に起因していることから、粒度分布が適切な骨材を使用すること、化学混和剤を使用して単位水量を少なく、水セメント比を小さくするように配合を設定すること等が対策として挙げられます。材料分離抵抗性を高くすることが重要です。なお、沈下ひび割れは、打設数時間後に収束するため、ブリーディング水を取り除き、沈下箇所にコンクリートを足して均すことや、こて仕上げの段階でタンピング(こてでコンクリート表面を軽く叩くこと)することで修復することができます。
・プラスティック収縮ひび割れ:コンクリートの表面が乾燥を受けると、表面部分に乾燥収縮が生じ、ひび割れの原因となります。この収縮をプラスティック収縮、ひび割れをプラスティック収縮ひび割れといいます。
この収縮はブリーディング水の上昇より蒸発速度が大きい場合に生じるため、表面の乾燥を防ぐことでひび割れの発生を防ぐことができます。適切なブリーディングを確保する・制御することが重要となります。発生が確認されたら、タンピングによる早期修復が必要です。
(回答者:T.U.)

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Q25. ひび割れ幅が変動するのはなぜですか?

A25. 適切に施工されたコンクリート構造物も、季節による温度変化(温度荷重)により伸縮が生じます。ひび割れが発生している場合は、温度変化による伸縮の影響は拘束条件の緩やかなひび割れ部分に集まり、ひび割れ幅が変動することとなります。輪荷重などの繰り返し荷重が作用する場合も同様です。補修が必要な場合は、このようなひび割れ幅の変動を考慮して実施する必要があります。
(回答者:T.U.)

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Q26. コンクリートの温度ひび割れは、どのようなメカニズムで発生するのですか?

A26. コンクリートはセメントと水との水和反応によって凝結しますが、この反応時に発熱してコンクリート温度が上昇します。上昇した温度は凝結後には外気温等によって冷やされ、これによってコンクリートは収縮します。自由に収縮すればひび割れは発生しませんが、この収縮が何らかによって拘束され、コンクリート内の引張応力が引張強度を超えるとひび割れが発生します。何によって拘束されるかというと、まず、コンクリートの内部温度が高く、表面付近のみが冷えた状態だと、表面付近のコンクリートのみが収縮しようとしますので、内部のコンクリートの剛性によって拘束を受けます。これを内部拘束と呼びます。さらに、コンクリート全体が冷えて収縮しようとすると、構造物の基礎岩盤などによって収縮が拘束されます。これを外部拘束と呼びます。一般的に内部拘束によるひび割れは表面付近のみで規模が小さく、外部拘束によるひび割れは構造物を貫通するなど、規模が大きくなる傾向にあります。
(回答者:H.K.)

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Q27. 温度ひび割れを抑制する方法にはどのような方法がありますか?

A27. 設計面、材料・配合面、施工面において様々な方法があります。
(1)設計面:適切なブロック割りを行う、誘発目地を設置する、複雑な形状を避けるなどの工夫が必要です。
(2)材料・配合面:まず、セメント量を出来るだけ少なくすることが大切です。そのためには、粗骨材寸法を大きくする(ダムコンクリートでは150mm)、粒形の良い骨材を使用する、減水率の大きな混和剤を使用する、フライアッシュセメントなどの混合セメントや中庸熱セメント、低発熱セメントを使用するなどの方法があります。ただし、高炉セメントは温度上昇量が必ずしも低くならない場合があるので注意が必要です。また、製造直後のセメントは高温なので冷却期間をおくことや、骨材貯蔵ビンに屋根を設け直射日光を遮るなどの工夫もあります。
(3)施工面:特に夏期においてはコンクリートの温度を上昇させない工夫が重要です。外気温の高い時期の打設を避ける、アジテータ車のドラムやポンプの配管にカバーを設ける、焼けた鋼製型枠は散水等により温度を下げる、打設後のコンクリート表面には十分な散水を行う、養生マットで覆って直射日光を遮る、養生期間を十分にとるなどです。
(4)クーリングについて:大規模な構造物の場合にはクーリングを行う場合があります。コンクリート材料を事前に冷却するプレクーリングと打設後の温度上昇を制御するパイプクーリングがあります。プレクーリングは施工中に外気温によって再びコンクリート温度が上昇するために、効率にロスがあるので、そのことを念頭において計画する必要があります。
(回答者:H.K.)

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Q28. コンクリートの凍害はなぜ起きるのですか?

A28. 温度が氷点以下にまで下がるとコンクリート中に含まれている水分(自由水)は、コンクリート表面の空隙内から凍結し始め、その際に、水の凍結膨張(約9%の体積膨張率)が起きる。この水の体積膨張に相当する水がコンクリート内部へ移動する際に水圧として作用するために、コンクリートの膨張を引き起こす。その後、温度の上昇に伴い凍結水が融解するが、コンクリート中には膨張ひずみが残留し、次の凍結時にはさらに大きな膨張ひずみが生じる。このような凍結融解の繰り返し作用によって、セメントペースト中、骨材中及び両者の界面で破壊が起こる。コンクリートの耐凍害性を改善するには、空気連行性を有するAE剤やAE減水剤や高性能AE減水剤を添加し、コンクリート中に4〜5%程度の微細な独立空気(連行空気=エントレインドエア)を混入し、自由水の凍結による膨張圧を緩和する方法が適切である。
(回答者:T.N.)

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Q29. コンクリートの打継ぎ部の鉄筋が長期間放置する場合の対策にはどんなものがありますか?

A29. 通常の環境で3ヶ月程度であれば、セメントペーストを塗布するのが一般的です。さらに長期間の場合(2年程度)は、防錆材を塗布するか、セメントペーストを塗布した上からポリエチレンのカバーをかける必要があります。2年程度以上に渡って放置する場合は、エポキシ系のコーティング材を塗布したりコンクリートで覆う方法が推奨されます。打継ぎに当たっては、こうしたコーティング材やコンクリートは、取り除かなければなりません。
(回答者:S.Y.)

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Q30. 潜在水硬性ってどんな性質ですか?

A30. 鉄鋼の副産物などのスラグ中のSiO2やAl2O3の鎖状結合がph12以上になると解かれ、固溶されていたCaO、Al2O3、MgOなどが溶出し、カルシウムシリケート水和物やカルシウムアルミネート水和物を生成して硬化する性質です。
(回答者:U.M.)

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Q31. 連続繊維補強材とはどのようなものでしょうか?

A31. 連続繊維補強材(Fiber Reinforced Plastics、略称FRP)とは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの連続繊維とエポキシ樹脂などの合成樹脂を組み合わせた複合材料です。連続繊維補強材は、直径が5〜20μm程度の非常に細い連続繊維を集束し、エポキシ樹脂などの結合材を含浸させて成型することにより製造され、繊維は補強材、合成樹脂は成型材であり繊維自体の強度を均等に発揮させる役割をします。連続繊維補強材の形状として棒状やストランド状、格子状、およびシート状等多くの種類があり、棒状や格子状のものは鉄筋やPC鋼材の代わりに用いられ、シート状のものはコンクリート部材の補修や補強に用いられています。
(回答者:W.Z.)

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Q32. 超高強度繊維補強コンクリートとはどのようなものでしょうか?

A32. 超高強度繊維補強コンクリート(Ultra High Strength Fiber Reinforced Concrete、略称UFC)とは、反応性微粉末を使用した無機系複合材料です。材料構成はセメント、ポゾラン材、粒径2.5mm以下の骨材等が配合された粉体と、専用鋼繊維(引張強度2×103N/mm2以上、直径0.1〜0.25mm、長さ10〜20mm)、および専用高性能減水剤からなっており、粗骨材は含んでいません。また、鋼繊維が容積比で2%以上配合されているため、原則として鉄筋を必要としません。標準的な熱養生を経た硬化体として、一般的に200 N/mm2以上の圧縮強度と、10 N/mm2以上の引張強度を有します。
(回答者:W.Z.)

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Q33. フレッシュコンクリートの単位水量測定法にはどのような種類がありますか?また、各手法の長所・短所について教えて下さい。

A33. 単位水量測定法の種類としては(1)加熱乾燥法(乾燥炉法、減圧乾燥炉法、電子レンジ法)、(2)単位容積質量法(エアメータ法、水中質量法)、(3)濃度法(塩分濃度法、アルコール濃度法)、(4)水量に反応する物質量を測定する方法(RI法、静電容量法、マイクロ波法)などがあります。
 (1)加熱乾燥法は加熱により蒸発水分量を測定する方法で原理は単純ですが、乾燥に時間を要します。(2)単位容積質量法はコンクリートの単位容積質量を正確に測定することで単位水量の誤差を推定する方法です。エアメータ法は作業も簡単で迅速ですが、骨材密度を正確に把握していないと大きな誤差が生じます。(3)濃度法はコンクリート試料に塩分やアルコールを混ぜ、水によって薄まった濃度から単位水量を推定する方法です。ろ過等の作業を伴います。(4)水量に反応する物質量を測定する方法は、特殊な測定装置を用います。各物質量から水量を算出するための検量線の設定次第で答えが変わります。
 なお、コンクリートをそのまま試料とする方法と、ウェットスクリーニングしたモルタルを試料とする方法とがあり、前者の場合はサンプリングにかかわる粗骨材量のばらつきに留意する必要があり、後者の場合には推定単位水量が必ず低めに出るので補正が必要になります。
JCIでは委員会を設置し共通試験を実施しましたが、各手法とも、その特性を十分に把握したうえで試験を行うことで、比較的良好な推定精度が得られました。
(回答者:H.K.)

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Q34. 高強度コンクリートの調合強度の算定や管理強度に用いられるS値(構造体補正強度)とは何ですか?

A34. 高強度コンクリートの調合はセメント量が多く、かつ、大きな断面の部材に使用されることが多いため、打ち込み後の硬化過程における発熱が大きくなります。そのため、従来、構造体強度の管理用として用いられている現場水中養生供試体や封緘養生供試体と発熱傾向がことなり、強度発現も高強度コンクリートを用いた構造体と異なります。そのため、高強度コンクリートを用いた構造体の強度を管理するためには、構造体強度と管理用の供試体(例えば標準水中養生供試体)の強度差をあらかじめ調べておく必要があります。この強度差から安全をみて決められた値が構造体補正強度S値となります。
(回答者:M.K.)

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Q35. 気温によるコンクリート強度の補正について教えて下さい。

A35. レディーミクストコンクリートは標準養生(温度20℃水中養生)で強度試験・管理を行い呼び強度を保証しています。
土木構造物の場合は、一般に、断面が大きいこともあって、設計基準強度f'ckと使用するレディーミクストコンクリートの呼び強度は同じであり、打設時の気温あるいはコンクリート温度に応じて呼び強度を割り増すことはしておりません。
建築物の場合は、一般に、土木構造物より断面が小さいこともあって、設計基準強度FCに割増し(3N/mm2)を加え、さらに気温に応じた強度の補正値(0、3あるいは6 N/mm2、気温が低いほど大きい)を加えて呼び強度としております。
SL=FC+ΔF+T
ここに、
SL:レディーミクストコンクリートの呼び強度
FC:設計基準強度
ΔF:構造体コンクリート強度と標準養生強度の差を考慮した割増し(3 N/mm2)
T :打ち込み〜所定材齢までの期間の平均気温による強度の補正値(0、3または6 N/mm2)

 建築物の躯体、基礎では気温による強度の補正を行いますが、杭では気温による強度の補正を行いません。
(回答者:I.U.)

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Q36. 溶融スラグ細骨材を用いたコンクリート表面に、写真-1のような青色の斑点が発生しましたが、この原因は何ですか?また、この斑点はコンクリートの物性に悪影響があるのですか?
写真-1 コンクリート表面に発生した変色 img
写真-1 コンクリート表面に発生した変色

A36. 溶融スラグには、二価の鉄(Fe(II))等のような酸化数の低い遷移金属を多く含むものもあります。このような溶融スラグを骨材として用いると、 S2-が共存し硬化体組織が還元性雰囲気に保たれ、Fe(II)等が酸化されにくい箇所、および空気との接触が少ないため酸化が進みにくい箇所では、コンクリート表面が青色に変色し、長期間にわたってその変色が消えない場合もあります。しかしながら、このコンクリート表面の青色変色は、高炉セメントや高炉スラグ微粉末を使用した場合と同様に空気中で長期間曝露されると酸化され、次第に消えていきますし、コンクリートの物性には何ら問題がありません。
(回答者:Y.S.)

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Q37. 超高強度繊維補強コンクリートはどのような特徴があるのでしょうか?

A37. 超高強度繊維補強コンクリートは優れた強度特性だけでなく、自己充填性、高靭性、高耐久性などを特徴とした新素材です。具体的には、(1)圧縮強度200 N/mm2、引張強度10 N/mm2、曲げ強度30 N/mm2の超高強度、およびひびわれが発生しにくく、発生後の幅も鋼繊維により抑制される高靭性、(2)「最密充填」理論に基づいた粒径分布と、水粉体比8%と極限に小さいため、硬化体は非常に緻密であり、塩分の浸透は普通コンクリートの1/100以下、中性化はほとんどしない高耐久性、(3)容積比で2%もの鋼繊維を配合しているにもかかわらず、モルタル試験用のコーンを用いたフロー値では250mm以上の高い流動性、および(4)鉄筋を必要としないため、部材厚と重量は普通コンクリートに比べ約1/3〜1/5程度に軽量化でき、ボリューム減による省資源・省エネとCO2排出量減などのメリットがあります。一方、短所として、(1)高品質な材料を使用しているため、材料コストが高い、(2)90℃48時間の熱養生が必要なため、プレキャスト構造がメイン、(3)補強用繊維の分散性や配向性は打込み方法に影響されやすいため、打設時には合流部、打重ね部が形成されないような施工上の留意点があります。
(回答者:W.Z.)

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